June 08, 2014

Mick Jagger & Keith Richards perfect style of Mick & Keith(Mediapal Books) 凄い写真集が出ている。半端なムック本よりずっと良い。けど買ってない。

100000009002111092_10204 えーっと、実は買ってないんですが、本屋で見つけてあまりの衝撃だったのでアップします。
 好事家のワタシでも買えなかった本書のアオリ文句は「ずーーーっと、イケてる秘密はどこに?ストーンズ入門書!男の子も女の子もいちばん、おしゃれ!60年代ロック・スタイル完全版。perfect styleシリーズ男性スター第3弾!」
 perfect styleシリーズってのがワタシワカラナイのですが、女の子向けに作っているスターのスタイルブックなんでしょうね。パラパラとめくると60年代のストーンズの面々や取り巻きの女の子たちがミニのワンピースにロング・ブーツ履いてたりしてます。ストーンズをモチーフにしたスインギン・ロンドンのファッションブックってところでしょうか。写真の内容・構成・作りがめちゃめちゃオシャレ。おじさん向けの半端なストーンズ紹介のムック本が今年の初めに沢山出ていましたが、あんなのよりセンスが段違いに良いですねぇ。
 で、記事の内容も「かわいいミック・キース」ってキャプションがあったり、「ガールのためのストーンズ聴き方講座」と名打って「恋している時に聴く曲は・・」なんて紹介があったり、徹底した女の子向けのストーンズ啓蒙の姿勢に飯を吹きそうになりつつも逆に清々しさを覚える気持ちでありました。
 そういえば十代の女の子がベロマークのTシャツとか着てるのをたまに見かけますが、それがストーンズのものであるとかストーンズって何だか知らなかったりするんだよね。そういった事へ向けての動きなんですかねぇ。そういえば表紙にベロマークが見当たらないで代わりにハートマークがあったりして、何というんでしょう?虚をつかれる思いっていうんですか?
 事実としてストーンズは黄色い声援でステージの音が聞こえなかった程のアイドルだったワケで、今そこの部分を見直そうというあり方があってもいいなと。70年代以降のルーズなキースを神格化したおぢさん達の目線じゃなくね。
 良い本だと思います。でも十代の女の子には少し価格が高いかな?

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April 27, 2014

4月のまとめはバルテュスを発端として

Danjikinotsuki 写真雑誌で知った原久路の作品は、なんとも言えない妖艶さが醸し出されていて、ワタシはたちまち虜になってしまいました。大正時代の診療所を一年借りきって撮影された情景と撮影・現像手法は、全くもって遠い昔に撮られた写真のように感じられるように意図されていますが21世紀の現代作品であります。
 この写真を見て「あれっ」とお気づきの方いますでしょうか。何処かで見た何かの絵に似ていると。それはまさに今東京で行われているバルテュス展のポスターです。十中八九。
 似てるというのではなく、バルテュスの作品を写真で再構成している作品なんですね。原久路の作品は同じ様な構図にしながら全く同じではなく日本の大正時代的なニュアンスを取り入れることで艶かしさを増幅させているところが賞賛に値するものだと思います。
 で、その原久路作品をじっくりとっくり眺められる様な作品集はないものかと探したのですがございませんで、見つけたのが唐作桂子の詩集。装丁がイカしていて表紙を眺めるだけでもなかなかいいじゃんと購入。中をあけてみると最近触れていなかった感覚の言葉にぞくりとする。表紙だけ眺めるなんて言ってすいませんでした。そう。最近、詩といえば流行歌の歌詞くらいしか意識できるものを身近においていなかったし、その流行歌の詩は近年幼稚になるばかりだったからね。真面目に言葉での表現を考え直す良い機会になったなと。特に生な女性の感覚から発せられる言葉はぞくぞくしますね。
2014_balthus そんな前段あり時間を見つけてバルテュスへ。ここで強烈に感じたのは構図・画面構成の計算高さ。妖艶さとかよりそっちの方に気が行って、人物がなく山とか窓だけがモチーフであっても鑑賞に耐えうる力に感服。

 通常なら3つに分けて書く記事でしたが、4月の日記のまとめということで一気書きでした。

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March 25, 2013

アーウィン・ブルーメンフェルドの写真展はなかなかよかったです

Erwinblumenfeldphotographycollage アーウィン・ブルーメンフェルドは1940~50年代に活躍したファッション・フォトグラファーで、いま東京都写真美術館で個展が行われています。
 年代から察してファッション写真いまむかしを考えるような展覧会に思われがちですがフタをあけてビックリ、カラー復元された鮮やかなプリントはただ美しいだけでなく、マスターピースと呼んでいい普遍的なアート性を持ったものでした。戦前戦後のファッション雑誌の写真というともっと商品に対して即物的なものという固定観念が大きく覆った次第。
 ダダイズム、キュビスム、シュールレアリズムといった20世紀初頭のアートの流れを写真表現に吸収しそれをもってメッセージを発信することが、当時流行最先端の商業写真としての役割を果たすための有効なアイデアだとして推し進めることは相当な努力が必要だったでしょう。そうした意味で彼は現代のファッション写真にアート性をもたらせた第一人者といえるでしょうし、今も変わることなく古臭いと思う作品がないことに不思議はありません。むしろ現代のファッションフォトグラファーの作品の元ネタはすべてここに集約されるんじゃないか?と思うくらいです。
 50年代のヴォーグの表紙を飾っている頃はさすがに世界一ギャラの高い写真家と呼ばれていますが、1897年にドイツで生まれたユダヤ人というその来歴を見て、この人の人生は波乱万丈大変なものだったのだろうと想像に難くありません。ふたつの世界大戦・ナチの台頭を乗り越えるのにはただ好きなことだけをやって生きていけるワケがなかったはずです。
 1930年代の彼の作品にヒトラーを風刺するコラージュ作品を見つけたとき、彼の写真へアートを持ち込むパワーはそうした反骨精神にあったのだろうなと感じました。

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June 24, 2012

大連裏通り

Dalian

 先月からずっと沈んでいるので生存証明ということで、昨年の写真をアップ。大連の裏通り。
 TC-1に古いフィルムを詰めて撮ったら、なんか幻想的な街角になったな。
 以下、ふと思い出す大連の雑感。
 ・空気が異様に悪い。
 ・紙幣が触りたくないほど汚い。
 ・ネット環境は悪くないのにFACEBOOK、ツイッターは物凄くつながりにくい。
 ・クルマの運転が荒い。
 ・歩行者は信号を守らない。
 ・クルマがバンバン走る通りを渡るコツはゆっくり歩くこと。
 ・歩道があったらそこは駐車場がわり。
 ・高級ホテルの売店でもスーパーコピー、バイアグラを勧められる。
 ・露店で雑誌のようなものを沢山売っているのをみかけるが、多分全部映画DVDコピー。
 ・食べ物はとにかく安くてうまい。
 ・実は気さくな人が多い。
 ・物乞いに対して普通に小銭をあげる通りかかりの人々。

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April 18, 2011

Rose, C'est Paris(Bettina Rheims)

Agie3
 先日はベッティナ・ランスの話が出たので、今日はそこのところを。
 ベッティナ・ランスはフランスの女性カメラマンで、ヌードな女性ポートレートを得意としてファッション誌でも活躍している人であります。商業的な観点でいうとアメリカのアニー・リーボリッツと双璧と言っていいような人ですね。
 ヌードな女性という表現をしましたが、なんかもっと生と死の表裏一体みたいなものが根源にありつつ、女性の上っ面ではない尊厳を昇華しているようなそういう作品がベースとなっている気がします。エロカッコイイってのはこういうのを言うんだよ。
 今まさしく東京写真美術館と銀座のシャネルの2本立てで女性セレブのポートレートを集めた展示が行われていておりますが、どの作品もワタシの好きな濃いめの色がぐっと迫ってくるもので圧巻でした。東京ではもう何年も前にから何度か展覧会が行われていてそのたびに行っておりますが、今回はタイトルこそ付いておりますが東京写真美術館では回顧展みたいな色合いが濃く、もう少し新作もみたいなぁと贅沢申し上げてしまいます次第。
51xeztxn2dl_aa500_ そこで先日でたのが、新作「Rose, C'est Paris」。ワタシの好きなカラー作品ではないのですが、なんとDVD付きの映像作品。なんて野心的な試みなんでしょうね。
 作品の内容は、双子姉妹のうちのひとりローズが行方不明になって妹がそれを探すというプロットらしきものはありつつも、ヌーベルバーグな幻想映像であらすじを期待するとちんぷんかんぷんです。ローズを探すことはパリを探すことであり「ローズ、それはパリだ」というタイトルのまま、パリを表現した映像作品なんでしょう。
 でもあたしゃやっぱりこの人のカラーがみたいんだな。


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January 14, 2011

おお、このアプリも面白い!PhotoTropedelic

 最近覗いているinstagramの投稿の中で知ったiPoneアプリでPhotoTropedelicってのが、また面白かった。
 画像の加工アプリで、普通の写真を鈴木英人風イラストに生成してしまうというものですね。
 画像加工アプリってどれもこれも似たり寄ったりで、自分の使い勝手の良いものがあればそれでいいくらいにおもってたのですが、こういう何かに特化したものは、修正加工とは別の楽しさがありますね。
 当然、細かいアルゴリズムが組まれているのでしょうが、ただランダムにいじっていると、思いもよらない絵になったりして楽しいのものです。以下、作例。

Kazami
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Bus
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 カメラ持って歩いていたりすると、何でもない鉄塔とか煙突の写真を撮っちゃったりしたくなるじゃないですか。そんなコトないですか?多分なんでもいいから写真が撮りたい!っていう「ただ撮りたい」という欲求ね。後で見たときに、なーんか陳腐でつまんなかったりすることが多いんです。そういうときの写真って。ただカメラが使いたいって気持ちだけで撮ったりするから。オレだけかな?まーいいや。
 そういう写真をこれにカマせば、なんかね、面白くなってきたりするじゃないですか。でね、シコシコ遊んでいるわけですよ。

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January 10, 2011

今年に入ってからのハマリもの

 今年に入ってからハマったものというと、iPhoneアプリのinstagrmですね。写真版のツイッターと思えばその通りです。
 各種フィルターがなかなか味があるのと、正方形にトリミングすることで、陳腐な写真も結構良い味になるんですね。以下、アップしてみたいくつかの写真。
Img_0206Img_0182
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 各国から投稿されている写真はいろんな感覚で撮られていわけで、どれも面白くて見ていて全く飽きないです。
 しかし、写真は秒単位で世界から投稿され続けるにもかかわらず、現在はブックマーク機能がないので、何度でも見たいと思う作品があってもどんどん過去のものとして埋もれていってしまうという弊害があります。
 ネットという同時共有性の楽しさが遺憾なく発揮されているシステムではあるのですが、ある意味、写真作品が消費物として扱われていく危険性も、またひとつあるような気がしますね。

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July 11, 2010

そうそうエルグストンじゃなくてエグルストン

Eggleston アタマでは分かっているんだけど、どうしても打ち間違えてしまうんだよなエグルストン。友人で「味の素」が言えなくて「あじものと」って言ってる奴を笑えない。
 んーなコトはどうでも良くて、観たいと思っていた展覧会に行きました。ニュー・カラーのビッグボスと言われているエグルストン。この人の発表した作品からカラー写真がアートとして認められていく人なのです。んーもうたまらないこの色と構図。

Giveoutbut この人の作品はプライマル・スクリームのジャケ写で使われてるのが有名ですね。ほらコレ。名盤だよね。
 初期に撮られたアメリカ南部での作品は、多分その土地の持っている独特の重さがあって、それはそれで凄いのだけども、諸手をあげてだーいすきと言えない問題作に近いものなんだけど、今回の展覧会の作品は構図の切り取り方や色自体に彼のメッセージがあって、被写体の語るものではなく彼の語りかけがなんとも気持ちよいものでありました。
 雑誌やwebで観るのではなくて現物をよーく観るとちょっとしたブレとかをみつけて、あーやっぱり手持ちのスナップなんだなぁ、街を歩いていて自分の目を引くものに出会った瞬間を切り取っているんだなぁ、とかが分かり楽しいです。
 一緒に行ったツレにも言われましたが、ワタシの撮りたかったものの手本がこれなんだと再認識したのであります。
 品川は御殿山の原美術館は初めて行ったんですけど、このロケーションもよかったですね。東京国立博物館本館とか銀座の服部時計店の設計者が建てたという原邸は、なんともモダーンな造詣で心うきうき。ついでに芝生の中庭に出ると、ワタシが見たことのない蜻蛉と蝶のアイノコみたいで黒とも青ともいえない昆虫が、ひらひらと優雅に舞っていて、子供みたいに追い掛け回してしまった午後でありました。
 さて、今回日本初と言われているエグルストン展でありますが、原美術館と同時開催で谷中のSCAI THE BATHHOUSEでも『ウィリアム・エグルストン:21st Century』という展覧会が開かれているそうで、そちらも是非訪れてみたいと思っています。

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June 07, 2010

アケボノ

Amebono

 旅行の朝の写真。
 中央に見える町並みというか、鉄塔群が蜃気楼のように見えてきれいだなと。
 下は、その鉄塔群の拡大。

Sinkiro

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May 25, 2010

アートリテラシーとは「妄想」である  味写入門(天久 聖一)

51rvbscb7l_sl500_ 美術手帖の5月号で秋本康が友人とアートを見に行くという企画に、勝間和代が連れられていた。
 勝間いわく「ワタシはアートに対するリテラシー(読み解く力)がないから・・」と大変消極的で、断る力を発揮できないカツマーを連れまわす秋本康のイジワルさが伝わってくる痛快な記事だった。
 ズバリの回答を持たないものが苦手な人がいる。そういう人は大概にして、その回答を持たないものに対して否定的な態度を取ったりするのですが、今回断らずに登場していたカツマーは立派だったねぇ。
 しかしアートに対する厳密なリテラシーってあるのかね?確かに作品の出来た過程とか知っていると面白いこともあるけど、結局その作品とどう向き合うかというスタンスだからねぇ。

 今回紹介している味写入門はイトイ新聞に連載していたものですね。アルバムに貼られなかった素人の失敗写真を色んな角度から見て味わってみましょうという企画。
 企画は面白かったけど、ワタシが本当に面白がれた写真は2枚くらいだったよ。勉強にはなったけどね。
 素人の失敗したという写真は「情報量がやたら多い」ってコメントがあって、それが面白かったなぁ。写真のテクニックって写っている情報量をうまくカットしていくことなんだねぇ。バカみたいにいらない情報まで写りまくっている写真が語るストーリーが、逆に面白いというか微笑ましいというか、それを味わおうということなんですけど。
 最後に天久聖一とかせきさいだぁの対談があって「味わうって妄想だよね」と言っていて、それにとてもうなずいたのでした。


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