December 24, 2018

ボヘミアンで立ち止まってないでコレを観て欲しいわぁ アリー/スター誕生

Allystar ボヘミアン・ラプソディーが日本で大ヒットを飛ばしている中、比較的地味目に公開されたと思うのはワタシだけでしょうか?「アリー/スター誕生」。
 まぁボヘミアンも良かったけど、コレ、ロックとか好きなミュージシャンならとても観てほしい、ガガ様とブラッドリー・クーパーの渾身の映画でした。
 ブラッドリー・クーパーはこの映画のためにやったことのない歌とギターを練習したとか、ホントだろうか?ライブシーンとかのカッコよさ。ギターの音も痺れるねぇ。
 すでにボロボロの生活になっているロックスターのジャクソン(ブラッドリー)が場末のクラブで歌うアリー(ガガ様)を見て感動のあまり泣いてしまうシーンで心を鷲掴みされ、大観衆のステージに無理やりひっぱりあげられてビビリ驚きつつもスイッチが入っていくアリーのシーンではしゃっくり上げるほど号泣してしまったワタシです。
 「スター誕生」という映画はこれまでも何度かリメイクされて来たもので、大スターである男が売れない女の子を見出して恋愛となり、女の子は頭角を現して逆に男の方が落ちぶれていくというスターの悲恋のド定番ですが、男が嫉妬して落ちていくとかそういう紋切り型のストーリーではない深さを感じました。
 「魂の底まで掘りつめた曲を書かないと続かないぞ」と言うジャクソンは、アリーが売れていくにつれてキャッチーなだけのチャラいキャクターとなっていくのを残念に思う反面、それでも売れていって欲しいという葛藤があったというのがワタシの見立てです。最後の最後でアリーはジャクソンの本当に気が付きそこで本物のスターが誕生したのでしょう。
 映画のために作られた書下ろし曲はメロディーラインがガガ節炸裂でちょっとニヤリ。演技も泣けるわぁ。


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October 21, 2017

80年代をスタイリッシュに アトミック・ブロンド

Atomicblonde_4 東西を分割する壁が壊される頃のベルリンでのお話。
 80年代の映像を今見ると、妙にでかい肩パットが野暮ったくも感じて、同じ時代を知るワタシは気恥ずかしさ覚えたりもするんだけど、この映画はなんでこんなにもスタイリッシュに感じるんだろう?よくよく思うと肩パットましましの人とか出てきてないから今風に色々コーディネイトしたのかな?
 選曲も良くて気分がとてもアがるし、出てくる女優もかっちょ良い。夢中で観てしまった。
 ファイト・アクションが痛そうでその分リアルに感じられる。もの凄く強いスーパーファイターじゃないんだ。
 西側の街と東側の街並みと質感の対比もいいねぇ。
 ついこの間大学時代の先生と電話する機会があって、先生がベルリンで観たデビッド・ボウイのliveのはなしをしておられたのを思い出す。先生はドイツ文学の研究者で、ベルリンの当時の若者文化の熱さをよく教えてくれたものでしたが、そういう憧れみたいなものがワタシの中にあったのかもしれない。
 そういったいろんなかっこいいと思う気持ちをくすぐられる映画でした。

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October 09, 2017

ここ数か月で観た映画

 ちょっと最近書き込みが滞っていたのでここ数ヶ月で観た映画をランダムに記します。
 「ワンダーウーマン」が思ってたほどカタルシスがもらえなかったのが残念。凛として自信たっぷりの女性と第一次大戦下のロンドンのギャップは面白かったけどね。やっぱり期待し過ぎちゃったからか。
 そういったくすぐりでいくと実写版「銀魂」はムッツリエロさがマニアックで色々語りたくなる作品。
 直近では「アウトレイジ最終章」キタノ映画は映像美とか余韻とちょっとしたすれ違いのギャグを期待するところなんだけど、今回はプロットと俳優の濃さが面白すぎて、逆にキタノ映画的なものが薄れた印象。大森南朋とかワタシのあんまり好きじゃない演技の人がキタノ映画ではすんなり良かったりしたのが発見。役者でいうと松重刑事が取調室で怒りまくる所とかよかったなぁ。
 観た映画はどれも面白かったと言えるんだけど期待してたところと違う部分をヤられているのが最近の傾向か。何の予備知識もなくふらっと観に行かなくなっちゃったからなぁ。

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May 14, 2017

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス

Gogremix アメリカでは相当ヒットしているそうですが、ワタシの観に行った映画館ではガラガラでした。
 でもコレ凄い面白かったです。ジェームズ・ガン監督はコメディの脚本から映画界に入った人だけあって「面白い」=「笑える」作品作りのツボを押さえまくってますね。終始おふざけじゃなく、泣けるところ・カワイイところ・カッチョ良いところを上手く配分して136分の大作を間延びすることなく楽しませてくれます。
 大オススメ。
 コレの前に三池監督の「無限の住人」を観てて「木村君はいつでも同じ演技」だのなんだのと色々批判あるようですが、ワタシは彼が意外と好きで同じ演技なら高倉健だって何に出ても高倉健じぇねーかってね、ま、そのハナシはちょっと置いといて、ちょっと楽しみにしていたところがあったんですが、もう薄れてしまいました。
 「無限の住人」は原作を知らないのでアレコレ言えないんですけど、死なないって設定ならもうすこしコメディ要素を増やしたらもっと心に残るものになったんじゃないかな?って。デッドプールとかが衝撃的だったんでアレの二番煎じになってもしょうがないかもしれませんが。
 コミック原作物は基本的にコメディ路線がテッパンじゃなかろうかと結ぶわけです、今回は。グルートかわいいわぁ。

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April 15, 2017

GHOST IN THE SHELL 大女優にヤられる

Ghostintheshell Netflixに入ってから、気になっていたけどちょっと手を出しそびれていた一連の攻殻機動隊シリーズを観たらやっぱり面白くて、ハリウッド実写版は地雷だろうとは思いつつも、監督が相当日本のアニメを研究しているとのハナシから、怖いもの見たさで観てみる。
 相当中国のお金が入ってる事とか、吹き替えが日本のアニメ版をなぞっているとかアレとかコレとか上から目線で面白く思う所があって、まぁこんなものでしょなんて思っていたら、ドンデン返しの様に日本の大女優が出て来て「あっ」と声が出てしまう。案の定ワタシはこの女優にヤられて心を鷲掴みにされてしまい最後まで。
 日本版とハリウッド版のテーマ性の違いとかよりも、あの女優のあの存在感は一体なんだ?をずっと考えている。

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September 22, 2016

スーサイド・スクワット

160623_suicideposter5 ネット上ではかなり鳴り物入りで公開されたスーサイド・スクワットでした。
 音楽もイカしてるしキュートでかっちょ良いオネーチャンもいいし、ワニ男だってよく見ると美しい造形で、眺めている分にはよかったんですが、なんでも爆弾で吹っ飛ばして解決させる様な大味の展開は、デッド・プールやシンゴジラを観て来た今年の流れからすると、ちょっといかがなものかと思ってしまいますね。
 俺は人を愛した事がないなんて言ってる奴が自分のムスメへの想いハンパなかったりして、そういったギャップというか悪人も最終的には愛の下に生きているというメッセージを織り込んでるつもりか知れませんが、少なくともウィル・スミスは悪人には見えなくて、私が見る前から期待していたイカれた凶悪犯達が大暴れという構図にブレーキをかけています。
Tama_original クライマックスのラスボスの暴れ方の既視感はサザエさんのエンディングでタマが見せるダンスだとわかった時、この物語はデッド・プールみたいなコメディだったらよかったのにと思ったものでした。
 わぁと思ったのはスクワットメンバーがたそがれてバーに集うシーンで流れた曲が、ビヨンセが歌ってる映画「キャディラック・レコード」のサントラのバージョンだったりして、音楽のチョイスがワタシの好みにズッパマリなので惜しかったなぁと。

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July 31, 2016

シンゴジラ ゴジラとはなんだったのか?

Photo シンゴジラです。面白かったです。日本の怪獣映画でした。
 ニッポン対ゴジラのキャッチコピーに偽り無し。マッチョなプロレスにさせないこだわり。単なる批判だけに終わらない問題提起。どんな物にも一分の理がある眼差し。白けさせる様なタイアップを極力抑えた気配り。何より凶悪過ぎるゴジラの破壊力。
 コメディにも取れる政治劇だけで全体を引っ張るドラマが見事。こりゃスゲーなと思っていたマッチョなアメリカのゴジラがお子様向けに思えてしまう。いやジャンルが違っちゃってきているのかな?バトルだけでなくその過程、生産までが描かれている災害シミュレーション映画。そこなんでしょうね、日本の怪獣映画というのは。いやゴジラとは何なのかを突き詰めた結果としてこうしたドラマになったのか。
 庵野秀明というと深夜ドラマ「アオイホノオ」での安田顕の演技が強烈に思い出されますが、残念ながらエバをよく知らないので今回の映画での細かいネタはよくわかりません。でもソコが無くても充分堪能出来るものでした。
 イッコだけ謎だったのは石原さとみの長谷川博己をお株を奪うエキセントリックな演技ですが、アレは最近の彼女のお約束なのかそれともアメリカ特使というのはみんなあんな感じの人だっていうあるあるで、知っているその筋のなら大爆笑出来るネタだったんですかねぇ?
 そういうの含めても必見だと思います。


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February 16, 2016

ポップコーンをほおばって フランス映画ならぬシネマ歌舞伎

No23_kisenbou 近頃のシネコンはミュージシャンのライブや演芸の中継放映をしたりと色々手を広げておりますが、歌舞伎の映像も掛けるようになったんですね。
 どんなものかと気になっていたのですが、ちょうど入門編みたいな演目が公開されたので足を運びました。
 いまどきシネコンで歌舞伎を観る好事家なんてワタシくらいかと思っていたら結構な入りで、なかなか捨てたもんじゃないぞ。
 「棒しばり」と「喜撰」は坂東三津五郎をフューチャーした踊りを中心とした演目で度胆を抜くようなケレンなどありませんがコミカルな内容。「棒しばり」の勘三郎とのコンビネーションも、よくぞ映像として残してくれたと。
 興味がある人はこの「棒しばり」だけでも観てみてほしい。勘三郎の身のこなしだけでも震えがきます。
 目を引く演目とかは実際の歌舞伎座や新橋演舞場のチケットなんてなかなか取れないので、シネマ歌舞伎おおいにアリですね。特に勘三郎、三津五郎は映像でしかもう観れないしねえ。つくづく惜しい人を失くしましたと今更ながら。



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February 11, 2016

70年代ディスコソングに乗せてSuper Nerd達が火星のヒトを救う。オデッセイ面白かったです。

Photo 明るい科学者の宇宙サバイバルとか色々論評でてて興味持ちましたが、コメディーとかに近い愉快になる映画でした。面白がれるところが満載。ディスコソングとか出てくる人たちがみんなオタクだとか、たぶん今の科学技術に基づいたディテールだとか、やっぱりこの映画も中国資本がはいってるんだろうなぁとか。
 それにしてもリドリー・スコットの映画はいつだって死の匂いが感じられたものだったけど、こんな希望に満ちてしかもひとりも悪人が登場しないなんてどうかしちゃったんじゃないかと。そう、どうかしちゃったんです。あの事件で。
 あの事件というのは弟であるトニー・スコット(「トップガン」の監督やってました)の死です。自死と言われています。
 この映画はそんな弟へのメッセージだと思うとね、もう涙が止まらなくなりますね。どんな問題があっても一個づつ解決して生きていこうよってね。
 よいものを観ました。ありがとう。

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June 21, 2015

映画 海街dairy

Umimachiposter2 撮影が発表された時から必須で観なければと思っておりました。
 原作はいわずもがなで良いですし、是枝監督の作品は「誰も知らない」も「そして父になる」もまだ観ていないのですが「あるいてもあるいても」を観ているのでがっかりすることは絶対にないって変な確信みたいなものがあったんです。
 そうするとね、ワタシもいい年を重ねちゃっているので涙もろくなってて、広瀬すずが焦燥した顔で画面に現れるだけでもう泣きのスイッチが入っちゃうんですね。いいお客さんですね。
 大変失礼な言い方ですけど、子犬とか子猫を「かわいいなぁ」っていつまでも見続けていられる感覚で美人四姉妹の生活ぶりがを堪能出来てしまうのですが、「いやいやそれはイカン」と改めてじっくりみると、いかに細かく突き詰めて演技なり映像を作り上げているかが感じられて二度美味しい映画なんじゃないだろうかと賛美いたします。なんかいつまでも観ていたかった映画。
 カメラがいいんですよ。鎌倉の四季が裏テーマになっているけど、グランドのシーンとかは秋の山の匂いが鼻腔に広がる気がしたもの。そう。ワタシは鎌倉で社会人になるまで育っているので、観光案内みたいなのでなく肌に実感された鎌倉の空気がよく出てるなぁって。カメラマンはリリー・フランキーと深津絵里のドラマ仕立てのCMを撮った瀧本幹也ですね。凄いですね。
 あとやっぱり女優の演技。家を飛び出した大竹しのぶ扮する母親と綾瀬はるか扮する長女には確執があるんだけど、次女と三女はやさしいお母さんの印象だけが残っているので久しぶりの再会はうれしいはずなんです。そのときの長澤まさみと夏帆の表情といったら本当に子供に戻っちゃったみたいな喜び方をしたりとか、ほんの一寸のシーンなんだけど感情の動きがよく表現されていて、これもひとつ是枝監督の指揮采配によるものなのでしょうが、舌を巻きます。
 じんわりじんわりと「ああよかったなぁ」と思えた映画でした。

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