増上寺で行われていた天祭一◯八へ行って来ました。この催し物は早いハナシがお寺で行う日本の美術工芸の文化祭みたいなものなのですが、古田織部を主人公にしたマンガ「へうげもの」の協力出展があり、新鋭の陶芸作家の作品が並ぶものです。
思えば今年になって3月まではストーンズの来日で盛り上がり、4月からはベルマーレに熱くなり、6月からはなんと陶芸作品にと、4半期ごとに自分の中にブームが訪れていたのですが、10月に入ってからはストーンズもdvdを出す予定があるみたいだしベルマーレはJ2優勝するし、陶芸はこの催し物でさらに熱くなっちゃって年末までダンゴ状態でどうなって行くのでしょう、ワタシ。
さて、天祭一◯八。増上寺の畳敷きのお部屋のテーブルに並べられた作品(もちろん売り物)を手に取りつつ、陶芸作家の方と色々お話ができて大変楽しゅうございました。
写真は安洞雅彦氏の豆向付。実際に存在する古い織部焼のミニチュアを沢山作っておられる作家です。この作品は鳴海織部といって絵を描く側と緑釉をかける側と土を変えて作ってある焼物で、だいたい7センチ四方のかわいい小皿です。オリジナルは東京国立博物館にある桃山時代の物。実物は20センチ四方の鉢だそうで。
裏から見ると違う土を合体させて作られているのがよくわかりますね。白い方に緑の釉薬をかけると発色が良くなるとか、赤い方に模様を入れるとオツだとか、それを一枚に合体させるとカッチョイイだろうとか、桃山時代に考えたのが面白いですね。
面白いと言えば、この幾何学模様も何の発想から出たのかとか興味がつきません。以下のリンクはそのオリジナルの写真。
C0035792 織部角鉢 - 東京国立博物館 画像検索 織部角鉢(表)
C0036929 織部角鉢 - 東京国立博物館 画像検索 織部角鉢(裏)
氏いわく、同じ物を作ってみることで織部焼について色々な新しい発見があるなんてお話をされておりましたが、音楽でも実際にコピーして演奏したり歌ったりしようとすることで新しいその曲への理解が深まったりするもので、なるほど激しく同意の想いでありました。
もう一個。小孫哲太郎氏のぐい呑み。
千葉の生まれだそうですが沖縄で学んだ「描き落とし」という技法で彼の見えている世界を表現しているのだと語っておられました。コレ沖縄の匂いがしますね。確かに。天辺には屋根をあしらっていて、ぐい呑みとしても使えますが、伏せた状態でも作品として主張しています。屋根は青は沖縄の空のイメージでしょうか。
パッション溢れる作品ですが、使い勝手も良さそう。大事にさせていただきます。
というわけで天祭一◯八、なかなか有意義なものでありました。
Recent Comments