映画 海街dairy
撮影が発表された時から必須で観なければと思っておりました。
原作はいわずもがなで良いですし、是枝監督の作品は「誰も知らない」も「そして父になる」もまだ観ていないのですが「あるいてもあるいても」を観ているのでがっかりすることは絶対にないって変な確信みたいなものがあったんです。
そうするとね、ワタシもいい年を重ねちゃっているので涙もろくなってて、広瀬すずが焦燥した顔で画面に現れるだけでもう泣きのスイッチが入っちゃうんですね。いいお客さんですね。
大変失礼な言い方ですけど、子犬とか子猫を「かわいいなぁ」っていつまでも見続けていられる感覚で美人四姉妹の生活ぶりがを堪能出来てしまうのですが、「いやいやそれはイカン」と改めてじっくりみると、いかに細かく突き詰めて演技なり映像を作り上げているかが感じられて二度美味しい映画なんじゃないだろうかと賛美いたします。なんかいつまでも観ていたかった映画。
カメラがいいんですよ。鎌倉の四季が裏テーマになっているけど、グランドのシーンとかは秋の山の匂いが鼻腔に広がる気がしたもの。そう。ワタシは鎌倉で社会人になるまで育っているので、観光案内みたいなのでなく肌に実感された鎌倉の空気がよく出てるなぁって。カメラマンはリリー・フランキーと深津絵里のドラマ仕立てのCMを撮った瀧本幹也ですね。凄いですね。
あとやっぱり女優の演技。家を飛び出した大竹しのぶ扮する母親と綾瀬はるか扮する長女には確執があるんだけど、次女と三女はやさしいお母さんの印象だけが残っているので久しぶりの再会はうれしいはずなんです。そのときの長澤まさみと夏帆の表情といったら本当に子供に戻っちゃったみたいな喜び方をしたりとか、ほんの一寸のシーンなんだけど感情の動きがよく表現されていて、これもひとつ是枝監督の指揮采配によるものなのでしょうが、舌を巻きます。
じんわりじんわりと「ああよかったなぁ」と思えた映画でした。
The comments to this entry are closed.
Comments