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April 30, 2015

浪人街 少し前の映画ですが心に残る名場面の数々

115180_1 先日bsにてやっていた1990年の映画「浪人街」を鑑賞しました。
 勝新太郎、原田芳雄、石橋蓮司、田中邦衛、樋口可南子ら、ある種濃厚な俳優を配し満を持して製作されたであろう映画。近年ちとライト感覚な映画が多く目にされる中、こうしたコッテリした映画をどっぷりと楽しみたいなと思いつつでありましたが、まー打ちのめされました。細かく良く出来ている。
 あんまりにも細かくて一度で全部消化できないみたいな、噛めば噛むほど味が出るっていうのはこういうのを言うんでしょうね。寡黙でありながらもその裏にある情報量が多いのだと思います。
 ネットの寸評を色々紐解きますと「全体的にダルイ」だの「これだけの名優で今ならもっと面白いものが・・」だのと言われておりその辛口の批評に少し驚きますが、多分寡黙であるが故にその多大な情報を受け取れていない人が大部分なのではないでしょうか?
 夜鷹を中心とした小さな部落に集った4人の浪人がアウトサイダーを排除しようとする旗本に奮起するというあらすじとしてはシンプルなものでありながら、4人のヒトトナリを丹念に描きつつも全く説明口調を使っていない点が近年のライト感覚な映画と一線を画くところだと思います。この丹念に描かれた場面のひとつひとつの演出・演技がとにかく良い。これをダルイって言ったら他にどこを観るの?あらすじとアクションだけになっちゃうじゃないですかと。
 4人の浪人は体制からスピンアウトしたアウトサイダーでありながら終始ぶれることなく自分の誇りを全うしています。一見卑屈であったり卑怯であったりするような行動にもこの誇りに基づいた理由が見て取れ、最後のクライマックス大立ち回りをカタルシスに導いていきます。
 元々は昭和3年に書かれたサイレント映画の4回目のリメイクだそうで、秀逸なシナリオであり年数をかけてそれが更に磨かれてきたのでしょうね。
 どのシーンも名場面ですが、友情出演の長門裕之扮するそば屋と勝新太郎のシーンが良かったですね。「あっ、これはなにわの味やないか」「ええ。わかりますか」というやりとりですが、懐かしい味を味わえた感激と味を分かってくれた感激の名演にトリハダ。そのあと勝新太郎は「これをさむらいうどんと名付けよう」というクダリは勝がいかにサムライであるということを至上に置いているかという重要なエピソードだと思います。
 未見の人のためにネタバレしないように書くのが大変なのですが、とにかく色々語りたくなる映画でありました。

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