ゴーン・ガール 上質なミステリにしてコメディーだったね
デヴィッド・フィンチャーの近作で好きなのはドラゴンタトゥーよりもソーシャル・ネットワークでした、ワタシ。
直情的・刺激的でスリリングな展開の映画も熱くなってのめり込めてもちろん好きですが、デヴィッド・フィンチャーの暗喩となっているシーンとか凝った映画手法を味わうには、アクションが主体になるようなストーリーよりもじっくり見せてもらえる物語の方がありがたいと思うわけです。
そうはいっても今作も十分に血の匂いがするようなスキャンダラスな内容で、失踪した女房の殺人疑惑をかけられてしまう旦那を軸に、その真相が明らかになっていくにしたがってあらぬ方向に展開していく事件は手に汗握る展開といってもよかったのはないでしょうか。
犯人は誰なのかとか誰が勝つのかとかそういった視点で観ていったときに、肩入れしてしまう登場人物がシーソーゲームのように変わり、最終的にはそうやって翻弄されていた自分がアホ臭くなって笑ってしまったという、なんとも監督の術中に狙い通りにハマってしまった観客でありましたが、血なまぐさいエピソードにしては爽やかな余韻で席を立てたのは良い体験でした。
面白かったです。笑っちゃいました。劇場で笑っている人いなかったけど・・。
The comments to this entry are closed.
Comments