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July 21, 2014

ちょっと前ですが木梨憲武展に行った感想など

20140417132153 少し前になりますが上野で行われていた木梨憲武展を観てきました。
 この展覧会、ワタシはネットのニュースで知ったのですが、どこでどんな宣伝をしていたのか全く分かっていなかったにもかかわらず、子供からお年寄りまで世代を超えて大盛況でとても驚きました。ゴールデンタイムのテレビで宣伝してたのかな?
 だいたい美術展というと作家にもよりますが観に来る人の世代・客層ってどこか限定されるものがあるじゃないですか。それがみごとに垣根をぶち壊し、ファミリー向けとして認識されていることにまず驚いた次第です。
 そして圧倒的な作品の数は多分取りつかれたように描いたんだと思わせるものがあって本気度をうかがわせます。
 ノリタケとアートの出会いは番組の企画でやった岡本太郎のパロディーみたいなものから始まっているので最初は岡本太郎的な肌触りを持った作品が並びます。岡本太郎的とは何なのかを的確に捉えているのできちんと凄味を持っていて感心。そこから作風は印象派的な点描スタイルを経てジャクソン・ポロック風になっていったと思いきやバスキアも入ってきたりして縦横無尽、なんじゃこれは?と思いつつもそのセンスは心地良さがありました。こういった心地良さは多分、テーマが「人と人のつながり」というのが根底にあって「ほらコレってちょっと良いでしょ」って見せたい気持ちで作品を作っていることなんだと思います。アートって作者の心の闇が入るものなんですがそういうのを排除した感じ。
 で、こういうの観て思い出すのがバンクシーの映画「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP」だったりして。じゃあノリさんはミスター・ブレインウォッシュなのかと。
 あの映画でバンクシーはミスター・ブレインウォッシュをけちょんけちょんに言ってますが、それはバンクシーの描いたヤラセのネタバレを含めて、アートという名のもとで一儲け企む者に対しての批判だったワケです。ノリさんのこの展覧会は、まー少しはお金のにおいがしなくもないですが、決してセレブ向けではないファミリー向けのものだったわけでひいてはそれは何だったのかというと、アートという様式を使ったエンターティメントだったのだと思います。
 あまり美術館に行った事がないコが「これすごーい」「うわぁキレイ」とかね、素直に作品に向き合う場をファミリー向けに作ったのが凄いなぁ。
 そう木梨憲武は芸術家ではなくてエンターティナーなんだと思って会場に行くとその懐の深さに震撼しますね。


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