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April 27, 2014

4月のまとめはバルテュスを発端として

Danjikinotsuki 写真雑誌で知った原久路の作品は、なんとも言えない妖艶さが醸し出されていて、ワタシはたちまち虜になってしまいました。大正時代の診療所を一年借りきって撮影された情景と撮影・現像手法は、全くもって遠い昔に撮られた写真のように感じられるように意図されていますが21世紀の現代作品であります。
 この写真を見て「あれっ」とお気づきの方いますでしょうか。何処かで見た何かの絵に似ていると。それはまさに今東京で行われているバルテュス展のポスターです。十中八九。
 似てるというのではなく、バルテュスの作品を写真で再構成している作品なんですね。原久路の作品は同じ様な構図にしながら全く同じではなく日本の大正時代的なニュアンスを取り入れることで艶かしさを増幅させているところが賞賛に値するものだと思います。
 で、その原久路作品をじっくりとっくり眺められる様な作品集はないものかと探したのですがございませんで、見つけたのが唐作桂子の詩集。装丁がイカしていて表紙を眺めるだけでもなかなかいいじゃんと購入。中をあけてみると最近触れていなかった感覚の言葉にぞくりとする。表紙だけ眺めるなんて言ってすいませんでした。そう。最近、詩といえば流行歌の歌詞くらいしか意識できるものを身近においていなかったし、その流行歌の詩は近年幼稚になるばかりだったからね。真面目に言葉での表現を考え直す良い機会になったなと。特に生な女性の感覚から発せられる言葉はぞくぞくしますね。
2014_balthus そんな前段あり時間を見つけてバルテュスへ。ここで強烈に感じたのは構図・画面構成の計算高さ。妖艶さとかよりそっちの方に気が行って、人物がなく山とか窓だけがモチーフであっても鑑賞に耐えうる力に感服。

 通常なら3つに分けて書く記事でしたが、4月の日記のまとめということで一気書きでした。

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April 19, 2014

石田徹也展

Ishidatetuya 石田徹也の作品は雑誌や本の表紙になったりしているので見かけた事がある方もいるでしょう。今、平塚美術館でその展覧会が行われています。初期の作品から31歳で生涯を閉じるまでの作品と創作ノートの展示です。
 カッチリとした遠近法とマンガ的にデフォルメされた人物、そして社会の中での不安感を中心としたストレートなメッセージテーマで描かれた初期作品はどちらかと言うとイラストレーターの風刺画といった印象で、ノートの本人の言葉から察するに自虐的ギャグに近い意識の上で楽しんで描いていたと思われるのですが、ワタシにはブラックな加減が痛く刺さって心地良いものではなかったし、ずっと観ていたいと思いは起こりませんでした。
 しかし彼の中でメッセージ・テーマで作品を作るのをやめよう、ただ自分の好きに絵を描こうと決めた時期があり、それ以降の作品から面白く感じられるようになったのは興味深い体験でした。なんだかホントに笑いながら観てしまったし、じっくり観ていたい気になる絵になっているんです。多分それは、メッセージが強いと絵は単なる伝達手段としてだけ機能してしまうために、伝わった瞬間に絵はその役割を終えてしまうからなのかもしれません。そんな事を教わったような体験でした。
 また芸術とイラストの線引きとか色んな事を考えてしまったな。自分に答えはないんですけどね。


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