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January 28, 2014

「オンリーゴッド」は神様のカラオケ熱唱映画

Jpg ニコラス・ウィンディング・レフンが前作「ドライヴ」のライアン・ゴズリングを再び主役にすえてタイを舞台に撮った映画。前作の続きではないが、主人公の俳優と画面の色彩、台詞の少なさという共通点から見ているワタシの頭が前作を引きずってしまう。
 ただ前作の共通点は以上それだけで、ストーリーや観ている感触はまるで違う。前作がスタイリッシュなラブロマンス犯罪モノなら、今回は宗教めいた犯罪モノ。宗教がかっているので何かこう難解な手触りがありますが、もったいぶってるだけで構造が分かるとそういう事なのねと腑に落ちて、いやいや良く考えるとへんな映画だよねもしかしてギャグのつもりなの?と考えさせられること必至。
 で、ネタバレしちゃうと、ワタシ前作ひきづってライアン・ゴズリングがヒーローの役割だとばっかり思ってたからハナシが通じ辛かったのですが、このハナシでのヒーローはタイの警部補で、タイトルにあるゴッドこそその人だったわけですね。原題はOnly God forgivesで、神だけが許されたもうであります。何を?人を裁く事を。警部補が人を裁く毎に何故かカラオケを熱唱するシーンが延々続く。黙って聴きいる配下達。
 ライアンは最初からこの男に裁かれると怯え、最後やっぱり・・・。どんでん返しなぞなく、ただただ静ではあれどドぎついバイオレンスな映画でしたが、ワタシ的にどんでん返しだったのは、ライアンがヒーローでなかった事と、おっさんの熱唱するカラオケに字幕つかないのか?とかですね。なんじゃわからんでしょ?わからんのですよ。
 たぶんカラオケは人を断罪した後の宗教的儀式として挿入されているんだろうけど、日本人の持っているカラオケのイメージとかけ離れた位置で使用されるからものすごく違和感があって変な気分になること請け合いです。
 性的に倒錯した内容と血みどろバイオレンスなのでデート映画には向かない。
 警部補のおっさんに肩入れして見ると爽快感があるかもです。なんだかんだ言っても観た後に色々語りたくなるなぁ。

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