「悪の法則」気負って観ると肩透かしを喰らうけど深いんだなコレが
豪華スターキャストのリドリー・スコットの新作は一見地味でありつつも、なんともはや嫌な予感をじわじわと的中させてゆくスリラーなのですが、ある種の説明的なシークエンスを排除しているのと元々これが言いたかったんだというテーマの部分を真のクライマックスとしている部分で、大衆がサスペンスドラマに期待するカタルシスを見事に裏切っていて、見終わった後にいくつか疑問符が残り心に残るものとなりました。ちょっともう一回見せてくれないか?みたいな。
コーマック・マッカーシーの脚本を歪曲せずに意図をそのまま映画にしたらこうなりましたということでしょうね。悪くなかったと思います。ひたむきな生、残酷な生。最近アメリカで評価されている小説家ということだけど、読んだことがないのでなにか読んでみたいな。
映画の原題は「カウンセラー」で、主人公は名前が無く「カウンセラー(顧問弁護士)」としか呼ばれないところが「ザ・ドライバー」と似てますが、ドライバーは謎の男という意味を付加された演出なんだろうけど、このカウンセラーはある個人ではなく誰でもこの人になりえるという意味を持っているという理解をしました。なんとも深いですね。
キャメロン・ディアスの悪女っぷりとか出色だしブラピも気持ち良さげでキャストも大当たり。でも昨今のハデな犯罪映画を期待していくと肩透かしを喰らうことになるので注意。ワタシはもう一回みたいと思ってますが。
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