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March 25, 2013

アーウィン・ブルーメンフェルドの写真展はなかなかよかったです

Erwinblumenfeldphotographycollage アーウィン・ブルーメンフェルドは1940~50年代に活躍したファッション・フォトグラファーで、いま東京都写真美術館で個展が行われています。
 年代から察してファッション写真いまむかしを考えるような展覧会に思われがちですがフタをあけてビックリ、カラー復元された鮮やかなプリントはただ美しいだけでなく、マスターピースと呼んでいい普遍的なアート性を持ったものでした。戦前戦後のファッション雑誌の写真というともっと商品に対して即物的なものという固定観念が大きく覆った次第。
 ダダイズム、キュビスム、シュールレアリズムといった20世紀初頭のアートの流れを写真表現に吸収しそれをもってメッセージを発信することが、当時流行最先端の商業写真としての役割を果たすための有効なアイデアだとして推し進めることは相当な努力が必要だったでしょう。そうした意味で彼は現代のファッション写真にアート性をもたらせた第一人者といえるでしょうし、今も変わることなく古臭いと思う作品がないことに不思議はありません。むしろ現代のファッションフォトグラファーの作品の元ネタはすべてここに集約されるんじゃないか?と思うくらいです。
 50年代のヴォーグの表紙を飾っている頃はさすがに世界一ギャラの高い写真家と呼ばれていますが、1897年にドイツで生まれたユダヤ人というその来歴を見て、この人の人生は波乱万丈大変なものだったのだろうと想像に難くありません。ふたつの世界大戦・ナチの台頭を乗り越えるのにはただ好きなことだけをやって生きていけるワケがなかったはずです。
 1930年代の彼の作品にヒトラーを風刺するコラージュ作品を見つけたとき、彼の写真へアートを持ち込むパワーはそうした反骨精神にあったのだろうなと感じました。

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March 10, 2013

映画「キャビン」すごく面白かったけど何を言ってもネタバレになりそうで上手く語れない

Cabininthewwods ジャンルを特定するのが難しいと評判を聞いていた映画「キャビン」。あんまり宣伝しているのを見ていなかったので日本で公開しないかDVDだけとかかな?と思っていたらちゃっかりロードショーしましたね。
 ホラー映画の色んなお約束事とか映画の手法を分析しまくりかつそれを裏切りまくっていくやり方はある種パロディーとも取れるけど、どちらかというと「挑戦」しているという心意気を感じて気味がよかったですね。
 タイトルになっているキャビンの佇まいは「死霊のはらわた」の舞台にそっくりな感じからして「笑わそうとしてるのかな?」とも取れるのですが、しっかり驚かせ怖がらせてもくれるところがよいです。
 そして少しネタバレ入りますがヒロインが「選ばせたのね!」というセリフで怒り出すのを起点として映画の方向性が大きく変わっていくクライマックスに快感。
 ホラー・スプラッター好きな人なら観て欲しいな。


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March 04, 2013

鎖無用のジャンゴ

708902174 多分もう説明のいらない新作タンティーノ映画。
 この作品を観る前から面白いなと思っていたのは、前作のイングロリアル・バスターズでユダヤ人を狩っているナチス親衛隊大佐役だったクリストフ・ヴァルツが今作では奴隷制度に物申すような役をやっていて、再びアカデミー助演男優賞を取っていること。タラちゃんも色々と気を使ってバランス取ってるのかなぁって。
 観ていて気持ちが上がるのはアクションシーンよりも前半のクリストフ・ヴァルツの歯切れ良さ。そして感じ入るのは奴隷制度の描かれ方でしたね。
 マカロニ・ウエスタンというと、主人公が後半になって絶体絶命か再起不能に近い状態に追い込まれてボロボロの状態になりつつちょっとした工夫でなんとか敵に勝つというパターンが王道で、たとえば荒野の用心棒ならポンチョの下に厚い鉄板の前掛けを隠して相手の銃撃に耐えるとか、続荒野の用心棒なら指を潰されて銃を撃てなくなった主人公がトリガーカバーを外してトリガーを物に押し当てて撃つとか(しかも押し当てるものは墓地の十字架だったな、たしか)が納得の見ごたえを生んでいたのですが、本作は主人公は追い詰められつつも最後の戦いは余裕のよっちゃんだったのがちょっとカタルシスに欠けたかなぁ。

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