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August 21, 2012

映画「ソーシャルネットワーク」とマンガ「犬神もっこす」について

 ダークナイト・ライジングが不発だったのでやっとこさ取ったというか無理やり取った夏休みにはDVD三昧でござんした。
 最近の話題作としてドラゴンタトゥーとかブラック・スワンとか観ましたが、デビット・フィンチャーよかったですね。ドラゴンタトゥーもフィンチャーの集大成的な内容でよかったですが、印象深かったのはソーシャル・ネットワークでした。
 前から聞いていた話から、盛り上がりに欠ける何だかよくわからなかった映画・・みたいな終わり方をするんじゃなかろうか、と思ってたのですがさにあらず、ちょっと切ない後味のある良い映画だったと思います。
 これを観て思い出したのが、最近ワタシが読めば必ず声をあげて笑ってしまう週刊モーニング連載の「犬神もっこす」。
 両者の共通点は、主人公が明らかにアスペルガー症候群であることです。
 アスペルガー症候群の代表的症例は人の感情を読み取る能力の欠如です。一般的に人のコミュニケーションというのは、相手の仕草や表情から多くの情報を集めてその感情や理解の度合いを見計らって行われます。しかしアスペルガー症候群の人はこれができません。相手から「怒っている」と言われなければ怒っていることすらわからないし皮肉も通じないのです。ですから映画のマーク・ザッカーバーグは冒頭シーンで女の子と会話が噛み合いませんし、それで彼女が何故「もうつきあいたくない」と言われたのかも理解できていません。もっと痛烈なのはビールを投げてよこすシーンで、普通ものを投げて相手に渡すときは「投げるよ、ちゃんと取れよ」みたいなアイコンタクトがあり、投げるタイミングを計るまでの動作が存在するのですが、これがありません。サインが読めないから自分で出すことも出来ないのです。その場に連れてこられた初めての女の子にこれをやって女の子が怖がるシーンが印象的でした。
 マンガ「犬神もっこす」は、それまで友達が出来なかった主人公が友人を作るために演劇部に入り、そこで奇想天外な事件を巻き起こしていくという内容のコメディーです。これまでにもこういった空気を読まない主人公に周囲の人間がアタフタするというコメディーは沢山あり、どちらかというと主人公が確信犯的であったりしていたものですが、主人公犬神くんは純粋です。もうひとつ興味深いのは感情を読み取ったり同調したり出来ないのにもかかわらず、演劇部という感情を表現するという場に立つというストーリーです。これはコミュニケーションに障害がある人間がというフェイスブックというコミュニケーションの場を作るという映画ソーシャルネットワークがもつ切なさにも通じています。
 映画は事業の成功とその裏の切なさを上手く描いており面白かったですが、マンガの「犬神もっこす」はもう一歩踏み込んでいけているところがこれからの楽しみです。たとえば演劇のワークショップシーンとか。
 演劇のワークショップは状況表現・感情表現の訓練です。感情を読めない人がこれを行っていくとどうなっていくのか。新しい表現方法が生まれていくのか、それとも本人が変わっていくのか。それとも人気がなくなって連載が打ち切られてしまうのか。
 続きが知りたいので皆さんに応援してもらいたいですし、作者にも頑張って頂きたいです。

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August 20, 2012

ダークナイト・ライジングはちょっと残念

 クリストファー・ノーランのバットマンシリーズ最終章は当然期待高まっておりましたよ。(以下どうしても内容に触れなければ語れないハナシなのでネタバレ御免)
 ドラマ冒頭の小型飛行機を更に大きな飛行機で引きずるというシークエンスは、人の想像を超える大きなパワーで相手を粉砕するというカタルシスを生み、今回もすげぇなぁと思ったものでした。バットマンが追われている警官隊を新しい飛行ビークル「バット」でけむに巻くシーンもしかり。やはりバットマンはスゲーなと。
 前回のジョーカーの怪演が良すぎたためにどうなることかと思われた3部作の最後はそういう力技で押しの一手なのだなと理解するも、包囲した警官隊を相手取り占拠した証券取引所で行ったことが単に一人の人の財産を無くすだけだったりと狙いが中途半端なことに最初の疑問符。そのあとはなんだか空回りだった。第一バットマンの戦う目的はなんだったのか?正義?いえいえ、ブルース・ウェインはそういう「平和だったらいいな」という大雑把な考えから立ち上がったわけではなかったのがこのシリーズの面白かったトコロ。
 1作目のブルース・ウェインは自分のトラウマを乗り越える為に子供のころに恐ろしかったコウモリになり、更に自分の両親を殺めた悪人・腐敗した都市に立ち向かう。そして2作目は腐敗の根絶に力を注ぎつつジョーカーの提示するアンチテーゼに悩むバットマン。3作目のテーマはもうがむしゃらに正義をキープとしか思えない。つかれた体にムチ打ってがむしゃらに正義ってのもすこーし心に響きますが。
 ドラマは最後戦争の様相を呈していきますが、バットマンが白昼の下群衆戦闘しているってのも興ざめ。どうしちゃったんだ?クリストファー・ノーラン!
 2作目の出来が良すぎた余波なのでしょうか?すべてはジョーカーの仕組んだ事なのだな。

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