映画「アーティスト」観ました
84回アカデミー賞の賞取合戦は映画黎明期を主題としたヒューゴとアーティストの一騎打ちという様相でありましたね。
アカデミー会員は当然映画に関連した仕事をしている人たちでありますから映画作成黎明期の人々にリスペクト送るような作品には票が集まるのは当然で、なーんかヤらしい気もしますが、下心だけで作ったモノは分かっちゃいますからこうやって勝ち残って来た映画は評価に値する映画愛を持っていると思います。
そういった中で映画愛ということではワタシはヒューゴに軍配が上がるような気がしますが、「アーティスト」の敢えてモノクロ・サイレントというフォーマットを選ぶことでもう一度映画の出来うる表現を見つめなおし、観る方も作る方も楽しんでみせるという点において感動をよんだんだと思います。
なるほどと膝を打つ大団円。その展開のみごとさに感涙した次第。
サイレントでの大スターがトーキーへの変革について行けずに落ちぶれる様や、蔭ながらそれを応援する女性は紋切型であり、もっといえばあの女性像は男にとって都合が良いだけのような描かれ方であり現代のドラマにはあまり出てこないタイプでありますが、そういう人物設定もモノクロ・サイレント時代のフォーマットとして使用しているのかもしれません。
昔の娯楽映画のフォーマットといえば、二枚目スターとヒロインというフロントの横に三枚目が必ずいたはずなのですがこの映画にはいなかったかな?と思ったらおりました。そう犬ですね。ものすごい芸達者なワンちゃん。
すべてのカットに意味を込めて作りこんでいるのをなぞる楽しさがある映画でありました。
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