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September 04, 2011

Wall and Piece(Banksy)

6762f9fe 単館上映映画シリーズで観たいと思っているけど中々チャンスの出来ない作品に「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」があり、その評判を聞くたびに悶々とした気持ちになっておりましたが、バンクシーの日本語版作品集が出ていたので手に取りました。
 グラフィティ・落書きはアートかどうかという議論は各国で揉めにもめておりますが、そもアートとは何かを定義しないと進まない議論であるという性質を持っているという事実があり、それが揉めているってことは世のアート事情って根源的なものがフワフワしてるってコトだよなぁ。そうなった経緯は商業的な思惑であったり画壇や芸術院みたいなところの権威であったりで、そういったものをぶち壊し、笑い飛ばしてやろうという心意気がバンクシーですね。
 実際彼の作品はスタイリッシュだし、ずっと観ていたい気持ちになるものばかり。そういったものを芸術的価値と捉えてもいいでしょう。
 屋外でのグラフィティは絵自体の存在感と周囲の環境を借景にしたストーリーを持っていて、それぞれの作品が唯一無二だと思います。そういえば日比野克彦が平塚でそんなことをやっていたなぁ。あれも良い試みだったけど、バンクシーは更にスタイリッシュに、更に荒唐無稽に、更に反体制的な展開をしています。
 公共物に描いたり、美術館に勝手に展示したり、作品の内容は時に過激でありますが、そのメッセージはヤンチャでありユーモラスな部分が何処か優しくて、「それでもやっぱり人を信じたい、愛したい」という気持ちが滲み出ているように汲み取ります。興味のある方は、リンク先を辿ったりこの本を手にとってみてはいかがか?

 そういえばドラマばっかりで有名な山下清画伯の展覧会とかがあんまり催されてなく、その絵が人の目に触れないのも、日本の芸術の権威筋と関係してなかったからだと聞いたことがあるなぁ。

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