エンジン/ENGINE(矢作俊彦 )
ワタシのミーハー的に崇拝するお方、矢作俊彦の新刊出てます。
クルマ雑誌に連載されていたのを知ってましたが、タイトルがそのものずばり「ENGINE」に鼻で嗤いつつ、単行本化するまで読まずにまっておりましたら、あけてびっくりのバイオレンスアクション。オマケにノンストップ・ジェットコースター。物語は外車泥棒を張り込む刑事の場面から始まって、映画「ソルト」のアンジーみたいに凶悪なおねぇちゃんを中心に殺人、爆破、カーチェイスそして外交政治も絡んで来るような大事へと雪ダルマ的に発展していきます。
こういう荒唐無稽な話では、背景や小道具のディテールが細かければ細かいほど面白味を増すのです。それがハードボイルド文体にマッチするんですね。西麻布から築地までの道のりとか、足のつかないスマートフォンの選び方・買い方とか。
そうしたディテールが毎回流行の最先端を行くような情報に溢れているのが、まずすごい。この人本当に好奇心旺盛というか、たぶんオタクに近いんだろうな。この前の「傷だらけの天使」もそんな感じだったし。
しかし傷天みたいに思い入れは残らなかったな。派手な映画を観たというそんな後味でありました。
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