「ミック・ジャガー。お前は何者だ?」 映画 SHINE A LIGHT
ストーンズ好きも高じてですが、物凄くクオリティーの高い、これまでで最高のロック・ライブ映画だったと思います。
あのラスト・ワルツを撮った監督が、アカデミー賞取って、多分好き放題予算をかけられるようになってるんだから、そうならなければおかしいのですけどね。ラスト・ワルツのメイキングを見ても、単なる演奏のステージを撮るのに、こんなに色んな計算をしているのか!と、感心しまくったのですから。まぁ、観る前から楽しみにしておりましたよ。
色々語りたいシーンが目白押しですね、一回みただけでも。
大画面で見るミック・ジャガーの何と老けていること!顔に刻み込まれたシワは爺さんのもので、そこはキース・リチャーズやチャーリー・ワッツだと何だかご愛嬌なんだけど、ミックはそれなのに何故あんなにエネルギッシュなんだ?
ショウが始まる前にクリントンだの何だのが挨拶に来るのを、柔らかく快く受け入れるという、所謂ロックを越えてしまって大衆にアピールするアイコンとしての立場を分かりきった態度。(ま、今回のショウはクリントンの提唱するチャリティーの募金活動のひとつなので、そんな態度は当たり前なんですが)
そんな態度の中で、好々爺のようになっても可笑しくないあの皺だらけの顔で、あのパフォーマンス。どーなってるんだ?なんて考えながら見ていたら、過去のフィルムが挿入されてキースが言った一言が、今回のタイトル。深い。
他にいくつも語りたいシーンがありますが一番びびったのは、バディー・ガイとの演奏ですね。
バディー・ガイが登場して最初1コーラス目までは、「楽しげにやってるなー」くらいのものですが、2コーラス目で歌がバディーに回ってきたところから、いきなりバディーがアクセル全開。シビれるような歌、その後のギター・ソロも凄まじい限り。バンド全員の雰囲気が一気に変わり緊張が張り詰めているのが手に取るように分かる。それまでも気合入れて演ってたんでしょうけど、バンドが更にギアを入れた感じ。プレイに熱が入る。
ステージ上で途轍もない事が起こっているのを察してグイグイ寄っていくカメラ。緊張をみなぎらせるミック・ジャガーの顔。気合のこもったキースのプレイとアクションが更にかっちょ良い。
本当に名場面でしたね。泣きそうになりました。曲が終わると、キースが弾いていたギターをバディーに渡して「プレゼントだ」って、余興で言ってるんじゃないことが良くわかりました。まさしくバトルを見たんだね。じゃ、あのギターは、バディー・ガイの戦利品ってことなのか?
語り出すとキリがなく、今日はこの辺で。また観にいこかな?
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