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March 01, 2008

立川談志独演会2008年2月29日銀座ブロッサム

 談志師匠を観に来たのは実に2年半ぶりか。
 先日出た太田光監修のdvdを観たときに、いかんせん声がかすれ気味だったし、キツいだろうか?と思っていたが、風邪をこじらせたと今回もお声の張りがない。
 家がこの近くにあり、そこでは映画のビデオがあふれかえってしまっているので、ここで100円くらいで売ろうか?などというツカミから、吉兆のババアは大好きだ自民党の記者会見でも隣で座ってもらっているといいなどと、語る内容はコレまでどおりだった。最初の演目は「松曳き」。
 殿と三太夫の駄洒落合戦ドタバタ粗忽モノであるが、かすれ気味の声とテンポにキレ味なく今一歩。心配な感じが当たる。これまでの様に観ているこっちが震えだしそうな、凄みのある落語はもう拝めないのだろうか?
 中入りとなりロビーに出ると、なんと冒頭言っていたビデオを自身がちゃっかり売っている。
 最初聞いたときは市販されているものだろうと思っていたが、生テープにダビングしたのか放送されたものを録画したものなのか、しっかりマジックでタイトルとかを書いたラベルを貼ったVHSである。喜んで買う観客達。ワタシは買わなかったんだけど、このチャッカリさにまだまだ談志健在を感じて、愉快な気持ちになってしまう。
 次の演目、出だしにはやっぱりキレが感じられなかった「天災」。気の短い八五郎が心を入れ替えるよう神学者の講釈を聞かされて感銘を受け、その講釈の真似事を出鱈目に近所で披露するというあらすじである。しかし「落語とは人間の業の肯定」を広言している談志師匠のこと、そのままの解釈ではやらない。
 どう考えても八五郎の「相手が理不尽だから喧嘩をする」という了見が正論であり、神学者の講釈の方が屁理屈に聞こえる演出。ソコに持っていくまでの演出として、道を尋ねる相手に荒っぽい口はきくものの、別れ際はしっかり優しく「ありがとう」をいう八五郎。また、神学者に結局は言いくるめられるものの、感銘をうけたのではなくお前の顔を立てるのだと言い切る八五郎は、江戸っ子の凛とした清々しさまで感じた。
 そこでワタシは談志師匠を味わうのは語り口のテクニックではなく、こうした師匠の思想・了見を楽しむものなんだと考えを改めたのでした。
 そんなことを思っているうちに、とうとう師匠のスイッチが入りキレの良いテンポで場内笑うテンションが大きくなっていったのでした。実際ワタシもアレコレ考え事することなく、笑ってしまったしね。逆転ホーマーってところでしょうか。
 もう少し小さいところで観られたら、色々心配しないで楽しめるのかもしれないですけどね。

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