デス・プルーフ in グラインドハウス
タランティーノ監督の新作を、ヤもタテもたまらず観に行く。
in グラインドハウスの意味とは、B級映画館専用とでも解すればよいか。ロバート・ロドリゲスと2本立ての企画モノで製作とのことだが、残念ながら2本立てでやってるハコには行かなかった。でもね、濃い映画だから1本づつ観るのがイイな。ボクは。
キル・ビル、ジャッキー・ブラウンより良いんじゃないか。今回。
タランティーノといったらコレ!という特に映画の主題とは関係ないハナシがダラダラと続く演出。しかも長回し。ミュージック選曲のセンスが今回も抜群。
グラインドハウスということで、フィルムの傷とか音声の乱れとかを、意図的に入れてある演出もすごい。映画でスクラッチしてる感覚をワザとらしくなくやってみてる感じ。しかも切れたフィルムを唐突に繋げたような感じで場面が変わるのは、計算しつくされたコダワリの技だろう。
ワタシは前半の感じで、ただ女の子たちがワイワイと喋って呑んで踊って、何の大きな事件も起こらずに映画が終わっても満足して帰ったでしょうが、中盤からのアクションもブチ切れていてスゴイ。
で、ケッサクなのはラスト。吹き出したというか、はじかれた様に大笑いしてしまったよ。あんなエンドシーンを観て、映画館をニヤニヤしながら出てきたのは、まだリュック・ベッソンがちゃんとした映画を撮ってた時の、「ニキータ」以来じゃなかろうか。ま、なんてこと無いんだけどね。俺のツボにハマっただけ。ヒトが見たらどこが面白かったのか、ワカランだろうけど。説明するとネタバレになるだろうから、DVDになったときにでも語ります。
面白かったなぁ。もう一回みたいなぁ。
思うに映画って芸術って見方もあるけど、こういうB級を目指すのにコダワリまくった映画ってなんていうんだろ、細かいところまで丹念に精巧に作り上げたミニカーとでも言えばいいのだろうか。ただよく出来た作りに驚嘆するんだけど、オモチャなんだよね。で、それでもイイと思うんだ。楽しめる人が、思い切り楽しめれば。
今回のタランティーノは、本人が一番楽しんだんじゃないの。ワタシも大満足でしたが。
The comments to this entry are closed.
Comments