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June 24, 2007

大ハード4.0

 ええ、ブルース・ウイルスの演じるジョン・マクレーンの大ファンです。先行上映されたのを見てきました。
 サイバー・テロと戦うアナログ・デカ。満身創痍になりながらも、何故か骨折だけはせず、丸腰で戦闘機とまで戦うタフガイ。ツッコミどころ満載なんだけど、大笑いしながら見るもよし。マクレーン刑事は、最初から最後まで絶体絶命なんだもん。
 アレを思いだしっちゃったよ。アレ。えーっと、確かジャン・ポール・ベルモンドの出ていたドタバタ・アクション活劇コメディー「リオの男」だっけ。(どっかでレンタルして、もう一度観てみよっと)
 あの作品の中で、やっぱりベルモンドが、宙吊りにされて炭まみれになったり、消火器だかなんだかで真っ白になったりと体当たりの演技で、劇中に「どうしてそんな事になったんですか?冗談かと思いましたよ」と言われ、「冗談で真っ黒くなったり真っ白になったりできるか!」とボヤく場面に大笑いしたことがあったけど、そういう楽しみ方。
 サイバー・テロとの戦いということで、米国のオタクっぽいハッカーとか、いかにも映画的に演出された設計のコンピュータシステムの操作モニタ画面とかに、食傷しそうだなー?と思ってたのですが、そんなコトはなかったですね。
 逆に、手持ちカメラっぽく映像が揺れてる場面の多用とか、全体的に彩度の落ちたカラー(「銀残し」というヤツでしょうか?北野武が「座頭市」でやっていた色合いのプリントね)とかの演出が、リアルにサイバーな気持ちを醸し出していて、見事。
 そんな細かい見方をしながらも、かなり映画にのめり込んで観てしまって、エンドシーンでCCRの曲がかかったときに、ワタシはとうとうポロポロと泣いてしまったのよ。この映画で泣く人なんて、あんまりいないんだろうけど。「いやー、凄いアクションだったねぇ」なんて人は言っても、泣くほど感動するだろうか?ってね。
 思うに、4作続いているダイ・ハードの魅力というのは、ぼやきながらも「このヤロー!てめぇなんかに負けるもんかぁ」と、おっさんが単身で戦って、どうにかこうにか勝っていくところにカタルシスがあるんだよな。
 この映画のジョン・マクレーンは多分、野心もなにもなく、家族と何事もなく暮らしていくような、そんな小さな幸せを求めたいだけなんだろうけど、人への心遣いを忘れてシステム化されたマニュアル文化・社会に憤りを感じ、そうした社会と上手く折り合いを付けられるほど器用でもなく、結局、組織社会から疎んじられることで、肝心の家族とも摩擦を起こしている。そうした逆境をバネにして、「バカヤロー!負けるかよ!」って頑張ってる背景。妄想でしかないのでしょうが、ワタシの琴線に触れたんでしょうね。そうしたトコロが。
 「あんたは凄い。あんたみたいなヒーローにはなれない」と言われて、「やりたくてやってるわけではない。でも、俺しかやる奴がいないから・・・」と語るシーンは、何だかブルース・ウイルス自身がマクレーン刑事役について語っているみたいで、少しニヤリ。
 面白かったです。星五つ出したら、皆に笑われるでしょうか?

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