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March 29, 2007

ロング・グッドバイ (村上 春樹(訳))

4152088001 チャンドラーと清水俊二が居なければ、ワタシの詩は言うに及ばず、人格形成とかも変わっていたんではなかろうか。それほど大きく影響を受けた作品です。清水俊二翻訳版は、何度も読みました。
 ライ麦畑も驚きましたが、今回のこれを村上春樹がってのは、もう見逃せないですね。「ええっ、それをやってもいいの?」って。もう清水俊二版がマスターピースだったから。躊躇したところもあったんじゃないだろうか、この仕事。
 そんな風に感じていたんで、結構長い「あとがき・解説」がついていたんで、先にそっちから読み始めましたが、この本、あとがきだけでも面白い。珍しい本です。
 時代を経るにあたって翻訳に手を入れ、ある時期が来たら全面リフォームかけるって考え方は、間違ってないと思います。言葉は生きているからね。

 内容は変わるべくもないですが、言葉遣い・文体が大きく変わっていることもなかったです。でもひたすら読みやすくなったのは何故だろう?しかも、読了後の心地良いやるせなさが、前よりひとしおだった。ワタシが年食ってオトナになったからなのだろうか?ま、そういうの上手いヒトなんだよなぁ、村上春樹。
 しかし訳者が、この作品の名作たる所以は、テリー・レノックスの存在だと豪語するのには、懐疑的ですね、ワタシは。あんまりテリーに思い入れできなかったし。やっぱり、ヒロインのアイリーンだのリンダだのに心動くマーロウが居たから、名作と言われるようになったんじゃないかと思うんだけどな。
 アメリカ映画の友情モノをみても、なんだかピンとこないことがあるので、ワタシ自身に欠陥があるのだろうか?でも、日本の友情ドラマだと泣けたりしてるゾ。アメリカ人の友情表現を、ワタシが理解しづらいだけなんだろう。
 そうは言っても、先に言った「読了後の心地良いやるせなさ」は、理屈抜きの友情を二人のオトコの間に感じとっていなければ、出てこないものなので、どこかで感情移入してたんでしょうね。ワタシは。うーん、不思議だ。
 こういった感情にさせられたのは、あとがきで書かれていた「ある日手が3本になった男の話」に代表される、小説の書き方の勝利なのかも知れません。

 名作です。読むべし。

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Comments

 清水俊二さんの訳って、いわゆる名訳じゃないですけど、チャンドラー=清水俊二っていう印象は作ってしまっていますね。なんとなく、昔のヒッチコック・マガジンとかマンハントっていった雑誌でハードボイルドが紹介されていた頃の雰囲気を持っているというか。
 村上春樹訳は、たぶんきちんとした訳なんでしょうし、原作の世界をずっとよく伝えているんだと思います。
 でも、どうなのかなぁ、昭和のアメリカ文化への憧れに満ちた時代の気分を伝えるものとして、清水訳も残っていてほしい気がします。

Posted by: いまおか | April 03, 2007 at 10:26 AM

清水俊二さんは、字幕スーパーの草分けとしての肩書きがあるので、そこで使う言葉の端折りとか、リズムがまた、なんとも良い具合の雰囲気を醸し出しているのでしょうね。
清水訳は今後も残っていくと思います。
歌が色々な人に歌われていくように。

Posted by: BARI | April 05, 2007 at 09:18 PM

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