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February 13, 2006

怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか(黒川 伊保子)

4106100789 認知科学に「クオリア」という言葉がある。「五感を通じて脳に入力される知覚情報が、脳に描く印象の質」のことだそうである。物理的に起こる現象、「レモンの香り」とか、「ガラスを爪で引っ掻いた音」とか、そういったモノに触れたときの、人間が心に感じる気持ち・印象である。
 この本は、言葉の響きによって、人間が等しく同じ「クオリア」を感じるのだということの研究を、解説している。例えば「キリコさん」という言葉からは、きびきびした利発なイメージ、「キミコさん」になると女らしい甘さがなんとなく伝わるイメージと。
 そうしたイメージは、ヒット商品のネーミングへも繋がっているという。なるほど。
 この「言葉の響き」は、「口の中で起こる空気の流れ、舌の動きといった物理現象」が人の意識に影響して、言い放った後の爽快感を生んだりするのだ、という説には中々信憑性があると思う。
 ワタシはかねがね「歌の歌詞は言葉のビートが全て」と言ってますが、単語ひとつ取っても、そうしたことに通じていくんだろうなと、思いますね。でも、詩を書く時にいちいち「使う単語は「K」の入ってるものから選ぼう」なんて思わないですけど。あくまで、そのときの気持ちとして、自然に出てくるものをね、選ぶんでしょうが。いや、気持ちに選ばされているのか・・。
 
 「研究の解説」と前述しましたが、新書だし、研究書でも論文でもないです。書き言葉から、エッセイに近い印象の読み心地。内容は興味深いし、語り口も面白かったけど、もうひとつなんというか、説得力のある論文調の方が読み応えが出てよかったのに、、、という感想。
 主題と関係ないですが、あとがきの中で、「感性は潜在意識下に確かに存在するからこそ感性。「鋭い」とか「鈍い」とかの差はない。感性が鈍いと言われる人は、感性を語ることが好きでないだけ」という言葉に感銘というか、目からウロコでした。その通り。感性は全ての人に等しく存在する。それを表に出すか出さないかの違いだけだよな。

 興味のある方は、手に取ってみてはいかがか。

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