この子は訴えかけるものを持っている オリバー・ツイスト
友人が必見と言っていたのを信じて観に行きました。よかったです。
ま、巨匠ですし、前作も賞を取って潤沢な製作費もあるし、原作も文豪の作品だし、間違いはないんですけどね。
インタビューを読むと、今作は子供達の為に題材を選んで撮ったということだそうですが、この人の持っている心の闇と、どう相容れるのか?というところにも、焦点が行きますね。
物語に込められたテーマは、他へ譲るとして、時に笑ってしまいそうになるほどの、キメにキメたカメラアングルと美術、一分の隙もない映画なんですが、特筆するのは、主人公のバニー・クラークでしたね。この子は凄い。
薄幸の美少年そのまんまなんだけど、常にオーラが溢れ出ている。ただ寝ているだけのシーンでも。これはビックリ。
ハナシのテンポは小気味良く、分かりやすいのですが、ただただこの子を目で追いかけるだけでも、十分過ぎる映画。
劇中、エドワード・ハードウィック演じるブラウンロー氏のセリフ「この子は何か訴えかけるものを持っている」が、この映画の全てでしょう。
サー・ベン・キングスレーも良かったですね。まさしく怪演。あの演技あっての、主人公の輝き。
最後の最後、オリバー・ツイストを抱きしめるブラウンロー氏に、とうとうワタシは泣きました。ただ心温まるというストーリーではないんだよね。切ない。その切なさを共有出来たと思うところに、心の温もりを感じるのでしょう。
闇がなければ光もなかったんですわ。
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Comments
その薦めた友人です。なっ良かっただろ? マスコミ向けの試写会は、なかなかコレだ! とゆうのに当たらないが、オリバーは当たったもの。朝一のドライバーで、ワンオン(パー4だけど、サービスホールなので、280ヤード)しちゃったみたいなもんかな。
Posted by: TAQ | January 30, 2006 11:40 AM
ポランスキーのサービスって感じも濃厚だね。
子供向けに作ろうという意図があったっていうし、
そこが上手く作用したのでしょう。
ま、オーディションであの子に当たったってのが、
一番のアタリで、なかなかないことだと思う。
Posted by: BARI | January 31, 2006 12:53 AM