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December 02, 2005

ナショナリズムの克服(姜 尚中、森巣 博)

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 ナショナリズムに対抗する論説を読もうと思ったのは、時期的な単なる偶然で、昨今の小泉首相の動向とかに反応している時流に乗ろうとしたわけでは、勿論ない。
 本当に直接的に思ったのは、実は、例のブルース・ムービー・プロジェクトの「ピアノ・ブルース」で、「愛国の歌すらブルースになる」というナレーションに続いて、レイ・チャールズが「アメリカ・ザ・ビューティフル」という曲を歌い上げるという、なんともクサいエンディングを迎えたのを見た時だ。
 レイ・チャールズが「アーメーリカぁー」なんて謳うたびに、観客が「うぉお」と歓声を上げるのをみて、なんだか、疎外感に包み込まれてしまったからである。この歌はアメリカの誇りだ、他の奴らにわかるかよ。と言われているような、そんな感じに思えたのだ。その実、この歌の本質は神に感謝するというものだったんだけどね。
 レイ・チャールズがどう思って歌っていたかは、わからない。でも、あの演出はどう考えても、そう捉えられて良いように思える。
 その監督のクリント・イーストウッドって人は、マカロニ・ウエスタンなんてアメリカの本流に対抗するような映画で出世して、どう見てもアウトサイダー的な人間ばかり演じてきたにも拘らず、やっぱりハリウッド人だったんだろうなと。いやさ、監督としての技量は認めますけどね。どうなんだろう?そこのところは。ジョン・ウェインに取って代わってやったぜと、ホクホク顔なのだろうか?

 ナショナリズムは、国体としての政治的なものだけでなく、経済的なもの、文化的なものという夫々のかたちで、排他的になるものだ。それはある局面では、人権をも否定する。在日外国人への対応に、それは顕著だ。
 先日の広島の女児殺人事件で、ペルー人が捕まったけど、そうした事で更に、日本に拍車がかからないかと、密かに心配している。
 人権っていうと堅苦しい感じになるけど、ようするに人と人で分かり合う道を絶つ風潮が出ないかと。

 ワールド・カップのような運動会で、勝て勝て白組ー!なんてのは、騒ぐことがすでにゲームですから、楽しめばいいんです。ワタシ大好きだし。
 お国自慢も、その土地の人の気質で、他の人より辛いものが食べられるとか、そういうカワイイ範囲ならいい。辛いものを食べられるとこが、優れてるとかエライとは、誰も思わないもの。ふーん、そういう人たちもいるんだねぇ、くらいのもので。それは、人の性質・資質として捉えられるだけのものだからだ。
 そうでなく、排他的に人権を侵害することを助長する性質は、悲しいことと思う。
 「お国」という定義も微妙だ。日本のような島国は国境は分かりやすいが、大陸では、数々の国が名を変え、土地の大きさを変えている。国ってなんだ?言葉が通じないってことじゃないでしょ。言葉だったら、日本の中でも大きく通じない地域が、ある。沖縄の方言とか。
 そういえば、KOZA。沖縄県沖縄市、琉球。呼び名でイメージが変わる。人はどれだけ変わっていったのだろう?人種は?その土地の人の気質は?
 実は、「国」というのは、イメージ・想像の共同体だという考えが提唱されて、久しいんです。

 ナショナリズムを実践して、排他的に人権を侵害することから脱する手段は、この「国」を形作るイメージを再び構築しなおすことなのだそうだ。まさしく、ジョン・レノンのイマジンですね。そういえば、9・11の後、アメリカでは放送出来なくなってたんだと聞く。

 この本は、前半が、姜尚中によるナショナリズムの解説で、政治的ナショナリズムから文化的ナショナリズムという捉え方と、日本におけるナショナリズムの本質を語り、後半で、森巣博がナショナリズムの克服方法として、先に書いたリイマジンド・コミュニティー(再想像の共同体もしくは無族協和)を、それぞれの個人体験をからめて語っている。概要は、ワタシがここに書いた様なものだ。
 最初手にとって、対談形式で語り口がとっつきやすかったので、面白そうだと思って読んでみたんだけど、キーワードの説明は荒いし、なんだかやっつけ仕事の本で、あまりオススメできないなぁ。本人達が喜んでいるだけってムード。主旨はわかったけどね。
 一番含蓄があったのが、姜尚中のあとがきだもんなぁ。興味があるひとは、もっと他の論説を読んだ方がいいですよ。それより、ジョンを聴きなさい。

 と、まぁ、そんなコトで、ちょっと前に書かれたお友達のHAGAさんの記事にリンクします
DOWN TOWN DIARY:あ・じゃぱん

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Comments

トラバ、サンキューね。ペルー人による小学生殺人事件は僕もBARIさんと同じようなこと思ってたよ。以前、三国人発言で物議を醸し出したお方がいましたが、そういう勢力に拍車をかけやしませんかね。なんか後味悪いです、あの事件。

Posted by: Y.HAGA | December 03, 2005 at 11:42 PM

何にせよ、解決の糸口は、排除するより
隣人を理解することですね。変なことが起こる前に。
これは日本人同士にも言えることで、
例えば、セキュリティーの指導とかが
会社でもあるんですが、
顔を覚えてない人でも、まず挨拶をすることが、
防犯に繋がるといわれて、なるほどなぁと
思ったものです。
ホントに悪意のある人でも、その悪意をそぐ働きが
挨拶にはあるし、人との理解の第一歩でもあると。

Posted by: BARI | December 06, 2005 at 01:47 AM

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