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January 10, 2005

泣き虫弱虫諸葛孔明(酒見賢一)

koumeibk タイトルが軟弱な感じなので、キオスクとかに売っている歴史人物雑学文庫本みたいに思われるかもしれないが、厚さ3センチ以上ありそうな、読み応え抜群のハードカバーである。
 思えばワタシも三国志モノをよく読んでいて、すでにそれ自体古典と呼ばれようとしている吉川 英治、少し変化球で(否、吉川版に勝るとも劣らないであろう)柴田錬三郎と来て、現在ではコミックの「蒼天航路」も相当熱く入れ込んでますが、どれを読んでも、この諸葛亮孔明という人物のヒトトナリは奇人としか思えないよなぁと、思っていた次第だったのですが、この「泣き虫弱虫諸葛孔明」を手にとってみて、ホラやっぱりそう思っているのは俺だけじゃなっかたよ、という認識を確固と持てました(「蒼天航路」も奇人ぶりをよく描いていますけどね)。
 タイトルは「泣き虫弱虫・・」ですが、そういった実は弱っちいオトコでしたという内容でなく、諸葛亮の奇人ぶりについて、臥竜と呼ばれる前から、三顧の礼を受けて出廬するまで描いた小説です。
 本屋で何気なく目に留めた「口喧嘩無敗、いざとなったら火計(放火)」という帯の煽りに思わず吹いて、その場で手にとって読み始めたら止まらなくなって、買っちゃったんだよ。
 小説というか、講談口調。若しくは落語の形式とでも言いましょうか、作者が三国志の登場人物にツッコミを入れまくる作風で、こういうのってフザケ過ぎてると読んでるほうが白けてしまったりするのですが、なんだか最後まで爆笑で読めたし、逆に引き込まれてしまったのは、文献の調査が綿密に行われていたからと、作者が彼らに愛を持っていたに他ならなかったからでしょうね。ま、パロディーではなったくなく、新説三国志とでも言えばよいのでしょうか。パロディーとして話の筋を変えているわけではなく、登場人物の心情がどうであったかを、現代的に新しい解釈をしてみた作品なんですね。
 三国志を知らないで読んでも面白いでしょう。知っていれば、更に深みが増すと思います。
 一気に読んでしまいました!オススメ。

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