子供も大人しく見ることの出来る深い映画 忍者ハットリくん THE MOVIE
観て参ったでござるよ。伊東四朗に「ニンニン」と言わせるところがニクイ。主人以外の一般市民に姿を見せてはいけないハットリくんを認識する最初の一般市民が、盲目の少女であるところが凄い。その盲目の少女の趣味が「絵を描くこと」であるところが深い。NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIEです。
子供も楽しめる様に、シンゴ君扮するハットリくんの立ち振る舞いは爽やかでコミカルですが、とても印象に残るのは、街のどこからでも大きく見える東京タワーと、テレビから繰り返される「ハッピー、ハッピー」という没個性的な歌。そして表情を失った女子アナのアップ。そうした記号が、今の日本を批判的に捉えていて、不気味に感じさせる演出は、ちょいとニヤリとしましたね。
ハットリくんやケムマキくん、そして盲目の少女が、今の日本に失われたものを取り戻すという感動路線でもあるわけです。不覚にもワタシ、泣きました。いつでも泣いているんですけど。
それはそれでよいですが、そのくらい深いトコロを見て作っているんだから、もっと丁寧に作ってもよかったんじゃないの?というツッコミどころも満載なんだよな。それはもう、ハットリくんとケムマキくんが会話する時計台がちゃちいハリボテそのもので、しかも揺れてるじゃねーか!とか、そいういう単純なトコロ。
ギャグも、もっといくらでも面白く出来たと思うんだけどなぁ。まだまだ面白く出来るはずなんだよ。お金も使わずに、しかも子供をおいてけぼりにさせないで。ちょっと惜しいんだよな。
それでも泣けたから、合格点です。あれだけ沢山劇場にいた子供達も集中して見ていたし、田中麗奈ちゃんとシンゴくんに免じて。
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