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July 09, 2004

70年代のアダルトコミック 筒井康隆漫画全集(筒井康隆)

tutuim.jpg 今日の紹介はコミックです。筒井康隆本人が描いた漫画を集めた「筒井康隆漫画全集」。原作はやっぱり自分が小説として書いたものを使っているので(小説が先に発表されている)、ブラックですねぇ。
tokuhon.jpg 最初本屋で見たときは、既出の「筒井漫画涜本」という、相原コージとかとり・みきが筒井の原作から描いた本のタイトルを変えたものなのか?と思ったのですが、本人が描いていたとは驚きました。知らんかったですもの。漫画描いていたって。
 絵、上手いです。70年代の作品なので、当時の匂いが濃厚ですね。モチーフも当時の世相を反映させているので、当然といえば当然ですけど、絵の感じが時代を感じさせるのは、どういうことなんでしょうかね?
 ここでよく話題に出している矢作俊彦も、過去に漫画を描いていて(実は小説より先に、10代でマンガ家としてデビューしていた)、その時のペン・ネーム「ダディ・グース」で先日発売された大型版の単行本を見ても、同じことを思ってしまいました。絵の流行りってあるのかもしれません。
daddyg.jpg よおく見てて気がついたのは、絵の省略のしかたですね。袖から出た手は描いてるけど、腕は描かないとか、今見ると斬新な省略をしている。今のマンガって緻密でしょ。見たままを描こうとしてるっていうか。70年代のこうした大人向けの漫画は、なんというか、その作者があみ出したような絵の省略法があるけど、今の漫画はそういった技法が飽和したのか、あまりビックリするような省略法の絵が見当たらないよね。そういう点で、その頃の漫画って、時代の匂いがしてしまうのかも知れません。
 さて、筒井の原作を漫画にした作品といえば、山上たつひこが「アフリカの爆弾」(現在絶版)というのを出していて、ウチにあるんですが、今回の本人作画バージョンの本にも同作品が入っていて、見比べてみたら、ちょっとづつギャグの入れ方が違うのが面白かったですね。山上たつひこの方が、マンガ家としてプロですので、当然そっちの方が面白いんですけど、この本の最後に入っているエッセイ(これも読み応えがあって面白いです)で、実はこれらの作品はアシスタントとして夏目房之介を使っていて、原作にないギャグは彼が書いていた、という驚きの事実。
 マニアなら、手に入れておきましょう。

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