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June 08, 2004

使ってみたい落語のことば(長井好弘)

rakugo.jpg 声を出して読みたいとか、世界の真ん中で叫んだりとかありますけど、普通に使ってみましょうよってことで、演芸評論家の長井好弘が編んだ本です。「使ってみたい落語のことば」。
 別に使わなくてもいいんだけど、落語に出てくる江戸言葉とかの解説が読みたくて、買ってみたんですが、落語という話術の中で洗練された言葉は、リズムというかビートがあって気持ちがいいですね。
 「BEAT(ビート)」というのは、直訳すると「鼓動」となるわけで、人間の生理にちなんだものなワケです。ですから、単に文章として文字を並べて、表現者の意図を伝えるよりも、ビート感を加えて伝えることで、その意図とする人の体温まで伝えることが出来るのではないか、というのが、歌詞などを書いているワタシの持論です。もっとも、ワタシはビート感のない文章ですと、読むに耐えなくなってしまうんですけどね。
 そうした背景があって、この本を読むと、落語、江戸弁がいかにビートを大切にしているかが判ります。カッコいいですよ。
 それでも、落語というのは口移しの伝承芸ですから、言葉自体は世相を反映したものになって、江戸の言葉そのものが、いつまでも残っているかというと、そうでもないでしょうし、又、噺にしてもいくつかは実は江戸のものではなくて、上方のものだったりするので、落語=江戸弁という図式をそのまま信じ込むのはどうかと思いますが、落語という話術の中の言葉が流れるように気持のよいものであることは、間違いありません。
 ワタシは「入費を帳面の方で、どがちゃがにする」って言葉がよかったですね。「どがちゃが」ですよ。言葉自体に意味は無いんでしょうけどね。リズムと意図が気持ちよく入ってきて、尚且つユーモラスな言葉ですよね。
 この本では、タイトルどおり「使ってみよう」という意図で書かれていて、現代での使用例みたいな雲行きになるんですけど、そんな使用例なんて、大きなお世話だよな。結局ギャグなんだからさ、そこまで書かれると逆に冷めてしまって、これほど不粋なことは無いとおもうなぁ。淡々と、古語の説明とか原作の噺の解説に終始してもらっていてくれればと、少し残念に思います。それと値段にくらべて読み応えが無いかな。もうちょっと沢山ページが欲しかったか。
 ま、そんなこと言ってますが、面白いですよ。興味のある方はどうぞ。

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