鎌倉 失われた石室の謎を解く
学校を卒業して会社員になるまで、鎌倉に住んでいた。
山に囲まれた小さな街で、子供の頃は寺院の裏山などに登って、よく遊んだものだった。
今はどうなっているのか知らないが、そうした山林を住宅地が脅かさない、自然環境の整った街だったのだ。
そんな街に伝わっている、以下、謎話。
昭和の時代、鎌倉・衣張山の南の麓で山イモを掘っていた鈴木さんという人が、石室を掘り当てたという。
中を覗き込むと、そこには書物がびっしりと詰まっているのが確認出来たが、異様なカビの臭いがして、鈴木さんは何だか急に寒気と恐ろしさが襲い、家に逃げ帰った。
後日、近所の人たちと見に行ってみようという話になっていたが、鈴木さんは数日後に山の中で、急に心臓マヒを起こして亡くなってしまう。
自治会で弔いを上げ、さらに数日経ってから、鈴木さんの話をもとに、皆でその石室を探したが、とうとう見つからないままとなってしまった。
「いやぁ、昔の防空壕の中に、近所のガキがエロ本隠しているのは、見つけたんだけどね・・大量に・・・」
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