September 22, 2016

スーサイド・スクワット

160623_suicideposter5 ネット上ではかなり鳴り物入りで公開されたスーサイド・スクワットでした。
 音楽もイカしてるしキュートでかっちょ良いオネーチャンもいいし、ワニ男だってよく見ると美しい造形で、眺めている分にはよかったんですが、なんでも爆弾で吹っ飛ばして解決させる様な大味の展開は、デッド・プールやシンゴジラを観て来た今年の流れからすると、ちょっといかがなものかと思ってしまいますね。
 俺は人を愛した事がないなんて言ってる奴が自分のムスメへの想いハンパなかったりして、そういったギャップというか悪人も最終的には愛の下に生きているというメッセージを織り込んでるつもりか知れませんが、少なくともウィル・スミスは悪人には見えなくて、私が見る前から期待していたイカれた凶悪犯達が大暴れという構図にブレーキをかけています。
Tama_original クライマックスのラスボスの暴れ方の既視感はサザエさんのエンディングでタマが見せるダンスだとわかった時、この物語はデッド・プールみたいなコメディだったらよかったのにと思ったものでした。
 わぁと思ったのはスクワットメンバーがたそがれてバーに集うシーンで流れた曲が、ビヨンセが歌ってる映画「キャディラック・レコード」のサントラのバージョンだったりして、音楽のチョイスがワタシの好みにズッパマリなので惜しかったなぁと。

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July 31, 2016

シンゴジラ ゴジラとはなんだったのか?

Photo シンゴジラです。面白かったです。日本の怪獣映画でした。
 ニッポン対ゴジラのキャッチコピーに偽り無し。マッチョなプロレスにさせないこだわり。単なる批判だけに終わらない問題提起。どんな物にも一分の理がある眼差し。白けさせる様なタイアップを極力抑えた気配り。何より凶悪過ぎるゴジラの破壊力。
 コメディにも取れる政治劇だけで全体を引っ張るドラマが見事。こりゃスゲーなと思っていたマッチョなアメリカのゴジラがお子様向けに思えてしまう。いやジャンルが違っちゃってきているのかな?バトルだけでなくその過程、生産までが描かれている災害シミュレーション映画。そこなんでしょうね、日本の怪獣映画というのは。いやゴジラとは何なのかを突き詰めた結果としてこうしたドラマになったのか。
 庵野秀明というと深夜ドラマ「アオイホノオ」での安田顕の演技が強烈に思い出されますが、残念ながらエバをよく知らないので今回の映画での細かいネタはよくわかりません。でもソコが無くても充分堪能出来るものでした。
 イッコだけ謎だったのは石原さとみの長谷川博己をお株を奪うエキセントリックな演技ですが、アレは最近の彼女のお約束なのかそれともアメリカ特使というのはみんなあんな感じの人だっていうあるあるで、知っているその筋のなら大爆笑出来るネタだったんですかねぇ?
 そういうの含めても必見だと思います。


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June 05, 2016

一枚の織部皿から

Oribecyoukaro

 先日陶芸家&ジャズギタリストである安洞さんの個展にお邪魔しました。
 個展のタイトルはオリベ展。安洞さんは織部焼の研究家と言ってよく、本人はアソビ的な言い方をしていますが、博物館や資料館にある古い織部焼のミニチュアコピーの様な物を相当な種類と数で作っておられます。これがよく出来ているのと、ご本人のお話しが楽しくて、近場でイベントがある際は行かせて頂いているワケです。
 織部焼は数寄物で知られる戦国武将古田織部の好みで作られた陶器でありますが、その形状や絵柄は400年前のものということを置いておいてもアバンギャルドなものです。おそらく織部その人が「面白ければなんでもいいんじゃない?」という発想の持ち主だったのでしょう。そういった発想に何かシンパシーを感じずにはいられない自分があります。
 織部焼の絵柄は干し柿が吊るされている様やなすびといった光景や物を連続した文様にしているところとかが有名で、こうした日常目にするようなものを装飾として選択された時に何か異次元に誘われるような感覚が湧き上がります。こうしたもの選びのセンスは大変面白いですね。
 さて、写真は大変気に入って購入した皿でありますが、これはなんともエキゾチック。緑釉の皿でありながら、一般的に思われる侘び寂びの一線を越えた佇まい。
 中心にいるのはロバに乗った人ですが、左上は「めらめら」という擬音があてはまるような太陽。そういえばお皿の周囲のギザギザした形状も太陽をモチーフにしているように感じられます(古いから欠けているだけかもしれないですが・・)。こんな風に一度感じるとロバに乗った人もポンチョを着ているように思えてしまうし、太陽・ロバ・ポンチョといったら連想するのは南米しかありえないじゃないですか。「これの由来はなんですかね?」と安洞さんに聞いたところオリジナルはメトロポリタン美術館にあるものをコピーしてみましたとのこと。それってもしかして南米の食器をメトロポリタンが誤って織部焼として所有しているのでは・・?なんて疑ったりしてみたのですが、よくよく調べてこのモチーフは中国の伝説・八仙のひとり張果老であろうと判りました。
 張果老は白いロバに後ろ向きに乗っていて、移動しないときにはロバを瓢箪の中にしまっておく神通力を持った仙人です(他にも死んだふりが得意とか変な言い伝えがある)。日本ではこのロバが馬として伝わり「瓢箪から駒」という故事ことわざとなったとされています。
 なるほどそういえばこの絵の人は後ろ向きに乗っているように見える。ソンブレロだろうと思っていた帽子は中国の仙人がよく被っているやつか・・。
 なんてね。色々知識の旅をしてしまって冒頭で言ったように異次元の世界に誘われたというワケですね。
 それにしてもこの絵のシンプルな線がなんとも良い味。オリジナルを見たことないですが、安洞さんの引く線からもその味が出ているのはと思うのです。何だかものを乗せるのがもったいないなぁ・・でも使うけどね。

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February 16, 2016

ポップコーンをほおばって フランス映画ならぬシネマ歌舞伎

No23_kisenbou 近頃のシネコンはミュージシャンのライブや演芸の中継放映をしたりと色々手を広げておりますが、歌舞伎の映像も掛けるようになったんですね。
 どんなものかと気になっていたのですが、ちょうど入門編みたいな演目が公開されたので足を運びました。
 いまどきシネコンで歌舞伎を観る好事家なんてワタシくらいかと思っていたら結構な入りで、なかなか捨てたもんじゃないぞ。
 「棒しばり」と「喜撰」は坂東三津五郎をフューチャーした踊りを中心とした演目で度胆を抜くようなケレンなどありませんがコミカルな内容。「棒しばり」の勘三郎とのコンビネーションも、よくぞ映像として残してくれたと。
 興味がある人はこの「棒しばり」だけでも観てみてほしい。勘三郎の身のこなしだけでも震えがきます。
 目を引く演目とかは実際の歌舞伎座や新橋演舞場のチケットなんてなかなか取れないので、シネマ歌舞伎おおいにアリですね。特に勘三郎、三津五郎は映像でしかもう観れないしねえ。つくづく惜しい人を失くしましたと今更ながら。



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February 11, 2016

70年代ディスコソングに乗せてSuper Nerd達が火星のヒトを救う。オデッセイ面白かったです。

Photo 明るい科学者の宇宙サバイバルとか色々論評でてて興味持ちましたが、コメディーとかに近い愉快になる映画でした。面白がれるところが満載。ディスコソングとか出てくる人たちがみんなオタクだとか、たぶん今の科学技術に基づいたディテールだとか、やっぱりこの映画も中国資本がはいってるんだろうなぁとか。
 それにしてもリドリー・スコットの映画はいつだって死の匂いが感じられたものだったけど、こんな希望に満ちてしかもひとりも悪人が登場しないなんてどうかしちゃったんじゃないかと。そう、どうかしちゃったんです。あの事件で。
 あの事件というのは弟であるトニー・スコット(「トップガン」の監督やってました)の死です。自死と言われています。
 この映画はそんな弟へのメッセージだと思うとね、もう涙が止まらなくなりますね。どんな問題があっても一個づつ解決して生きていこうよってね。
 よいものを観ました。ありがとう。

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June 21, 2015

映画 海街dairy

Umimachiposter2 撮影が発表された時から必須で観なければと思っておりました。
 原作はいわずもがなで良いですし、是枝監督の作品は「誰も知らない」も「そして父になる」もまだ観ていないのですが「あるいてもあるいても」を観ているのでがっかりすることは絶対にないって変な確信みたいなものがあったんです。
 そうするとね、ワタシもいい年を重ねちゃっているので涙もろくなってて、広瀬すずが焦燥した顔で画面に現れるだけでもう泣きのスイッチが入っちゃうんですね。いいお客さんですね。
 大変失礼な言い方ですけど、子犬とか子猫を「かわいいなぁ」っていつまでも見続けていられる感覚で美人四姉妹の生活ぶりがを堪能出来てしまうのですが、「いやいやそれはイカン」と改めてじっくりみると、いかに細かく突き詰めて演技なり映像を作り上げているかが感じられて二度美味しい映画なんじゃないだろうかと賛美いたします。なんかいつまでも観ていたかった映画。
 カメラがいいんですよ。鎌倉の四季が裏テーマになっているけど、グランドのシーンとかは秋の山の匂いが鼻腔に広がる気がしたもの。そう。ワタシは鎌倉で社会人になるまで育っているので、観光案内みたいなのでなく肌に実感された鎌倉の空気がよく出てるなぁって。カメラマンはリリー・フランキーと深津絵里のドラマ仕立てのCMを撮った瀧本幹也ですね。凄いですね。
 あとやっぱり女優の演技。家を飛び出した大竹しのぶ扮する母親と綾瀬はるか扮する長女には確執があるんだけど、次女と三女はやさしいお母さんの印象だけが残っているので久しぶりの再会はうれしいはずなんです。そのときの長澤まさみと夏帆の表情といったら本当に子供に戻っちゃったみたいな喜び方をしたりとか、ほんの一寸のシーンなんだけど感情の動きがよく表現されていて、これもひとつ是枝監督の指揮采配によるものなのでしょうが、舌を巻きます。
 じんわりじんわりと「ああよかったなぁ」と思えた映画でした。

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June 08, 2015

最近観る映画はどれも大当たり 「チャッピー」よかったぁ

Chappieneill_blomkampposter002 映画「チャッピー」は、企業でロボット警官を開発し成功したエンジニアが、今度は芸術を解し学習して育つロボットを独自に研究開発したが、チンピラギャング夫婦にそのロボットを奪われて、、というSFアクションなんだけどどこかコミカルにも感じるストーリー。
 稼働したてのロボットはまだ何もインプットされてなく子供と一緒なので、色々と教えこまないとならず、悪い事を教えればチンピラの様になるし良いことを教えれば優等生のようになっていく。その中でチンピラのかみさんがロボットをチャッピーと名付け我が子の様に思って母性全開になる所とか結構泣けます。
 面白おかしくバイオレンスでハートウォーミングでありつつもただではすまない「第9地区」なんて映画を撮った監督のこと、心に引っかかってくるキーワードが幾つもあります。
 まず舞台となっている「南アフリカ」と学習のために出てくるブラックシープという絵本の意味するもの。富裕層と低下層の落差。体制と反体制。自立型ロボットの是非。マッチョとオタク。
 そうした対立の関係性を背後に無垢なチャッピーは学習しつつ周囲の思惑に巻き込まれ大きな事件に発展していきます。
 通常のパターンですと発展した大きな事件の中で反体制のオタクが体制側のマッチョに一泡吹かせて大団円「やぁ、ちょっと面白かったね」なんて終わるところなのですが、もうひとつ重要な「意識」というキーワードの出現により、ワタシの想像の斜め上に物語が着地しとてもヘンな気持ちになりました。
 このヘンな気持ちは今うまく表現できないのですが、決してバッドエンドということでも理解しがたいものでもなく、ストーリーのその先を想像するのに頭の中で色んな整理が必要になるということでしょうか。何度か繰り返し見たくなる映画ですね。
 決して難解だとかそういうことでなくエンタメとして楽しめる映画ですが、結構深いということです。
 ここのところ良い映画に当たっていてうれしいな。オススメ。面白いです。


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May 31, 2015

みた観た?映画「ジェームス・ブラウン」必見ですわよ

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 公開を心待ちにしていた映画「ジェームス・ブラウン」を観に。映画の情報で知っていたのはJBの生涯の映画であること、プロデューサーがミック・ジャガーであることくらいでありましたが、公開前から良い評判を聞き及んでいました。
 映画の序盤、JBの人となりのエピソードとして時系列をシャッフルした手法が多用され、「面白いけどこれじゃ感情移入しにくいなぁ」と心配していたのですが演奏・ステージシーンが圧巻のカッコよさでノックアウトされ、それ以降グングン引き込まれてボロボロ泣きましたわ。良かったわぁ。まさしくJBの孤独・信条・魂の由来を語る映画でした。
 幼少時分に教会でのゴスペルに出会うシーンはワタシにブールス・ブラザースが神の啓示を受けるシーンを連想させ、感銘を受けているとマネージャー役としてダン・エイクロイドが登場し「あっ」となるワタシ。主役のチャドウィック・ボーズマンもボビー・バード役の城島クンも良かったですが、ダン・エイクロイドのなんとも沁みる演技に愛を感じいずにいられませんでした。
 写真はその昔ジャケ買いしたLP。作品の重要曲ということで。
 音楽好きの方必見の映画。

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May 18, 2015

映画 セッション 率直に面白かった

Session2 東京に出なければ観られないと思っていた映画「セッション」が湘南モールでも掛かったので行って参りました。色々話題になっていた映画なので是非観たいと思っておりましたが観て良かった、ズバリ面白かったです。
 音楽学校でジャズドラムを専攻している男子学生とスパルタ教師の心温まらず背筋の凍るストーリーで、終盤「えぇ?!そうなっちゃうの?」というどんでん返しがあったりするので、ここでネタバレしないように書かないといけません。
 この映画に興味を持った経緯は、ラジオ・雑誌で映画評論家の町山が大絶賛していた映画というのもあったのですが、菊地成孔がブログで「セッション」に対する長文酷評をアップしてからネット上にて論争へと発展し注目を集めた所からです。映画人対音楽(ジャズ)人という構図なのかな?各々含蓄ありつつ面白く読ませて頂ける論客ですのでどんな事になっているのか読みたかったのですが、ネタバレ含まれそうだし先に映画を観ないと色々味わえないなと映画館へ行くチャンスを窺っていた次第。
 結果、なんだこの下衆野郎ばかり出てくる映画は⁉︎と思いつつ、でも率直に面白いわ、と冒頭の感想につながります。
 でね、町山菊地論争を読むとワタシがこの映画で感じたすべての事が解説されていたので膝打ったものです。
なので、ワタシが書けることは感想として面白かったしかないかなと。あとは必ず映画を観た後に二人の論争を読むといいと思います。映画についてだけじゃなく、なんとも味わい深い応酬。

【詳細】映画「セッション」論争『菊地成孔vs町山智浩』まとめ #tama954 #denpa954 - NAVER まとめ

『セッション』に関する菊地評と町山評を私的に整理する。 | BEAGLE the movie

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May 16, 2015

龍三と7人の子分たち

7187fde2a6098d813bdc8c3cc31c94a7 GWに色々やりたかったひとつにゆっくり映画館で映画を観るってのがあって、東京まで出るとユックリってワケにいかないで折角ならアレもコレもになってしまうのですよ田舎に住んでいるワタシとしては。
 で、近所のシネコンに行きまして、そうね今なら北野映画の新作かなと「龍三と7人の子分たち」を。
 こうやって映画の記事の時に最初からズバリと作品名を書かない時はあんまり良いと思わなかった時だねってバレてるか。その通り。
 アウトレイジみたいな淡々とゴアな映画の後にバランス取るようにコメディタッチの映画撮るんですよね。そのアレですよね。どんなんかと思ったら漫才の持ちネタをそのまま映像化しているという内容で、まあ色々持ち上げられる所もあるけど、あのネタだったらビートたけしのマシンガントークの語り口で漫才で喋ってもらった方が面白いし、いつ聞いても笑えるなぁ。いつ聞いても笑えるっていうのは、ネタそのものよりも話術なんですかね。だからこのネタについては映画術よりも話術が勝っているんじゃないかなと感じるワケです。
 そうすると、いつもの北野映画は登場人物が寡黙だった事に気がつきます。北野映画術の至上は喋らない事で、たけし話術の至上はマシンガントークだったんだねと。みんな知ってるかぁそんなこと…。
 藤竜也と近藤正臣の漫才みたいな掛け合いも悪くないですがね。あとオナラは演技じゃなくて完全に監督のコントセンス。
 これでヒット飛ばしてまた寡黙な癖のある映画を作ってもらえたらと。

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